Ginger Baker's Air Force
クリームが大好きだった子供の頃、ブラインド・フェイスは軟弱に映った。さらに、それから派生した、ジンジャー・ベイカーズ・エア・フォースなんぞ、全くの無視状態だった。
しかし!
CDになって三十年ぶりに初めて聞いてみると、これがもの凄い! はっきりいって、中学生のロック小僧ごときに理解できる代物ではなかったのだ!! 時代も先駆けている。
公平に見て、オン・ザ・コーナー〜アガルタ/パンゲア期のマイルス・デイヴィスや、70年代初頭のジェイムス・ブラウンらと、同じ地平で語られるべき音楽なのだ! (そういえば、マイルスも、このアルバムから3年後、一瞬だが、10人編成のバンドでライブしていた)
ブラインド・フェイスやトラフィックなど、ちっちゃいちっちゃい。同年のクラプトンのソロ・デビュー作など、本作と比べたら児戯に等しい。
1970年1月のデビュー・コンサートの実況録音盤で、LP2枚組をコンプリートに収録してある。
主立ったメンバーだけ記すと、
ブラインド・フェイスからクラプトン以外の3人。
解散中のトラフィックから、クリス・ウッド。
後にウイングスを結成するデニ−・レイン。(有名な話ですが、傑作「バンド・オン・ザ・ラン」はジンジャー・ベイカーの所有するスタジオで録音された)
おなじみ(?)グレアム・ボンド。
これに、打楽器二人を含む4人が加わり、合計10名の大所帯。
まあ、はっきりいって、凄い迫力です。ウインウッドやクラプトンのファンには敢えて勧めません。マイルス、JBあたりのファンの方が楽しめると思います。
解説は、一部マニアには有名な、三田村善衛氏。丁寧にリサーチして書いており、メンバー変遷など勉強になりました。