もう探さない
おそらくZARDのシングルの中で、最もセールス的にも知名度も低い曲だろう。ファーストがドラマタイアップでスマッシュヒットを飛ばしたのも束の間、以降「眠れない夜」まで今唯一の低迷期だったためもあるだろう。
自分の中でこの曲に思い入れがある鍵は「感傷性」と「ノスタルジア」にある。ZARDと言えば、やはり物悲しい旋律を奏でる事に関して他の追随を許さない歌手だった。イントロの咽び泣くサクスフォンといい、サビ前の抑え目のミュートギター音などは、正に後に続く「もう少しあと少し♪」と全く引けを取らない完成度で、おそらく93年にリリースすれば50万は軽く上回っていたはずだ。坂井泉水の少し後ろ向きな歌詞が良い意味でこれらのメロディーの感傷性を支えてもおり。この手の歌詞は、情念じみたものになりがちだが、比較的柔らかな雰囲気を感じれるのは、彼女のキャラクターに因る部分も大きい。
そしてノスタルジックという点でも、他の追随を許さない曲でもある。曲というのは、ヒット曲程皆に親しまれ思いでも共感できる部分もあるだろうけど、一方でこの曲のように殆ど知られていないような曲を当時自分だけが聞いていた故に、曲と自分との距離感を余計身近に感じてしまうという、一方の感じ方もできた(し、今も尚できる)。
また知名度が低いながら90年代初頭Mステの企画曲で頻繁に取り上げられたので聴けば思い出す人も多いかもしれない。逝去した事で、更に自分にとってこの曲が「感傷性」「ノスタルジー」において神がかり的な曲になってしまった。
予断ですが、
「偲ぶ会」では、ゲート遠くからZARDの曲が聞こえてきた時、不覚にもいい大人が涙した訳ですが、この曲がかかっていたら多分人目を憚らず涙していたでしょう。
91.11.16リリース
オリコン 39位
作詞 坂井泉水
作曲 織田哲郎
編曲 明石昌夫
もう君を探さない
主人公・高梨龍平は高校教師。彼が勤める高校の女子生徒が家出し、
彼女を探すうちに暴力団幹部の友人が殺され、
その繋がりを追っていくと、彼の過去−教え子の自殺や殺された友人との関係−に複雑に絡んでくる。
そんなサスペンスフルなストーリーです。
タイトルも中身もちょっとだけ感傷的過ぎるかなって気もしましたが、
主人公の描き方が秀逸。かっこいい。
女子高でこんな先生がいたら間違いなく憧れちゃいます。
教えることが本当に好きで、内面に熱いものを持っていながらも、
過去に教え子を救えなかった呪縛から逃れられず、
生徒と距離を置いてクールに接している。
でも生徒の窮地を身体をはって助けに行くことができる。
男性としてすごく魅力的だなと思いました。
ラストで自殺した教え子から最期にもらった手紙を読む場面では、
涙腺がゆるゆるになってしまいました。
もう探さない
このアルバムでシングルリリースされているのは、1.不思議ね・・・、2.もう探さない、の2曲ですが、zardがこれまでリリースした全シングル42曲(〜2006.5)のなかで、オリコンベスト10を逃したのは、この2曲のみ! すなわち、収録されているのはハズレ5%(≒2/42)の作品です。
とはいっても、「不思議ね・・・」はとてもさわやかな曲調が魅力で、「もう探さない」は曲・ジャケットともダークで独特なイメージが印象的であり、セールスが低調だったのは、「不思議だね・・・(^^)」、といった感じです。
それ以外には個人的に、5. フォーエヴァー がお気に入り。(たぶん)本アルバムでのみ収録されている曲ですが、聞いているだけで元気の出る、zard定番の「応援ソング」のはしりとも言える一曲です。
コアなzardファン以外にもお勧めできるアルバムです。
もう君を探さない (講談社文庫)
主人公・高梨龍平は高校教師。彼が勤める高校の女子生徒が家出し、
彼女を探すうちに暴力団幹部の友人が殺され、
その繋がりを追っていくと、彼の過去−教え子の自殺や殺された友人との関係−に複雑に絡んでくる。
そんなサスペンスフルなストーリーです。
タイトルも中身もちょっとだけ感傷的過ぎるかなって気もしましたが、
主人公の描き方が秀逸。かっこいい。
女子高でこんな先生がいたら間違いなく憧れちゃいます。
教えることが本当に好きで、内面に熱いものを持っていながらも、
過去に教え子を救えなかった呪縛から逃れられず、
生徒と距離を置いてクールに接している。
でも生徒の窮地を身体をはって助けに行くことができる。
男性としてすごく魅力的だなと思いました。
ラストで自殺した教え子から最期にもらった手紙を読む場面では、
涙腺がゆるゆるになってしまいました。