Romantic Warrior
ミステリ作家:島田荘司氏の傑作「異邦の騎士」の中で印象的に取り上げられ、
同作の文庫版解説で、島田氏自身によるM-3の優れたレビューに触れて興味を持って購入。
チック・コリアの、そしてRTFへの入り口としては、やや邪道かも知れない。
しかし、本作における4人の騎士達の演奏は、
その人がどんな動機で本作に出合おうと、どんな音楽ジャンルが好きであろうと、
そんなことはお構いなし。
素晴らしい音楽が共通して持つ、
ただただひたすらに純粋な感動を与えてくれるに違いない。
その白眉たるM-3。
それぞれがリーダー作を発表できるほどの歴戦の猛者どもが繰り広げる
美しく知的かつスリリングで熱い演奏は正に<神業>。
予兆に満ちた導入部〜繰り返し現れる印象的なテーマに導かれて
クラシカルなアルコ演奏から徐々に尋常ならぬフレージングを展開するスタンリー・クラーク。
世界唯一無二の早業を繰り広げるアル・ディ・メオラ。
ソロこそ無いが、長尺の楽想を変幻自在に支えるレニー・ホワイト。
そして、その流れのすべてを引き受けて名乗りをあげる真打チック・コリア。
この領域に達するまで、各メンバーはどれほど厳しく孤独な修練を重ねたのだろう。
常人には計り知れない、その気高い誇りに満ちた若き四銃士の孤高のスピリット、
ミューズに見初められた者にだけ許された高みに、胸が熱くなる。
前述のように、個人的には、島田荘司氏の人気シリーズ:御手洗潔ものの中でも
最も哀しく、ミステリとしても青春小説としても際立って優れている
「異邦の騎士」のサウンドトラックとしての思い入れからどうも抜け出せないのだが、
このアルバムが好きで、ミステリにも興味のある方なら、
本の方もお薦めなので、是非お試しあれ。
(その際は、まずシリーズ第1作「占星術殺人事件」、
第2作「斜め屋敷の犯罪」、短編集「御手洗潔の挨拶」と
発表順に御手洗ワールドに親しんでから
いよいよこの「異邦の騎士」を読むことをお薦めする。
その訳は…読めば必ずわかる!)
そして、本は読んでいて、まだこのアルバムを聴いていない方。
映像化不可能なあの小説の儚い浪漫が、
この「ROMANTIC WARRIOR」によって、
音楽で見事に追体験出来ること請け合いだ。
Light As a Feather
73年発表の2nd。1stを踏襲した作品だが、彼らの代表曲である「スペイン」を収録しているため、グループとしては有名な作品となっている。前作よりも本来のジャズ的指向が高まったものの、3.や4.のようなカンタベリー・ミュージックに強い影響を与えたであろう曲も含み、そちらのファンにも十分に楽しめる内容になっている。
1.はチックのエレピにフローラのヴォーカルが乗るジャズ・ボーカルのスタンダードものといった感じの曲であり、 ボッサの雰囲気を持ったいわゆる完全なジャズの曲である。ブラシによるドラムスもサックスのリードも、そのイメージそのままだと思う。2.は10分超えの大作。やはりジャズ的要素が強いが、ゆったりとした演奏の中にいわゆるジャズ・ロック的な要素は強く感じられる。3.はいわゆるカンタベリー・ミュージックに強い影響を与えたであろう、ジャズ/ジャズ・ロック的な曲。柔らかいフルートの音色が心地よい。4.もヴォーカル・ナンバーだが、ナショナル・ヘルス辺りと何ら違和感のない演奏を聞かせる。彼らが更に上手くなったらこういう演奏をしていたと思う。未聴の方はぜひ聴いてほしい。5.はメランコリックで美しい小品。サティ辺りの雰囲気を感じさせる。
仮面ライダーW(ダブル) FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ【Blu-ray】
TV版最終回から久しぶりの仮面ライダーW
劇場で見るかどうか最後まで迷いましたがやはりソフト化を待って正解でした
結論から言うと・・・ドン引きするくらい泣きました
全員ハマリ役のNEVER軍団、大道以外のメンバーはそれぞれの出番が10分有るか無いかなのにものすごい個性とかっこよさです
例の「嫌いじゃないわ!」で2010年の一部を盛り上げた京水さんにリターンズでまた会えるのが楽しみです
大道と共にこの映画の屋台骨を支えるマリアを演ずる杉本彩さんも母性と色気を兼ね備えた素晴らしいアクターでした
そして風都を守る仮面ライダーたちのアクションもTV以上にカッコよすぎる・・・!
これまでの平成ライダーで培われた技術を全投入といった風情のアクションは歴代最高を軽く塗り替えました
3D特撮というと不自然な吹き飛びシーンなども多かったですが今回はまったく不自然さを感じさせません
翔太郎のもとに引き寄せられる切り札、仮面ライダージョーカーの活躍は予定調和でも最高の展開です
フィリップの見せる激情と成長、自分と大道の違いを悟り決意を固める場面は演じた菅田さんも一年で成長したんだなとしみじみ・・・
そしてさすがの課長の安定感、「俺に質問をするな!」のタイミングがめちゃくちゃかっこよかったです
途中ぶらりと風都に現れたパンツ青年が変身するオーズ
やはりオールライダーのW同様に微妙にTVとキャラが違いますが強くてイケメンだったわね!嫌いじゃないわ!
クライマックス、声援に応えて新しい力が覚醒、などやり方を間違えると一瞬でしらける難しい小道具ですが盛り上げられた展開が有無を言わせずテンションが上がりました
アクションに目が行きがちですが音楽の流し方も絶妙です
あの溜めに溜めた末の「振り切るぜ」(「疾走のアクセル」のアレンジ)が流れるタイミングには感動してしまいました
とにかく絶賛しか浮かびませんがシナリオも劇場版の尺でまとめたレベルでは電王の「俺!誕生!」レベルにまとまっていました
恋に悩む所長や傭兵時代のNEVERの生身アクションなどリターンズが楽しみになる場面も多かったです
ディレクターズカットも楽しみですが今回は1時間でも満足できる出来になっているので未視聴の方は一見の価値ありと太鼓判を押せます
2011年にして早くもナンバー1のおすすめソフトです!
Return to Forever
もうかなり前のことになりますが、チックの大阪公演を聴きに行った時、高校生の頃このアルバムを初めて耳にした時の鮮烈な想い出がメラメラと甦ってきました。RTF全盛の頃からはかなりの時を経ていましたが・・・。ジャズピアニストとしては対照的なキースジャレットも好きですが、チックコリアの簡潔でアイデア溢れるタッチはまた格別です。いずれにしてもこの記念碑的なアルバムはこれから先もジャンルを越えた金字塔として残っていくことは疑いのないことでしょう!ジャズ・・・いや、フラメンコの色濃い名曲スペインへと繋がっていく理由が解りました。
仮面ライダーW(ダブル) FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ【DVD】
この作品は文句なしに仮面ライダーの劇場版では最高傑作です。理由としては5点あります。
'アクション
仮面ライダーの醍醐味でもアクション。今作ではそのアクションを大幅に進化させていてワイヤーアクションやバイクアクションがふんだんに取り込まれています。THE FIRSTやTHE NEXTに匹敵するほどのアクションだったと自分は思います。
'ストーリー
今作のストーリーはTVシリーズの44話と45話の間に起こった事件です。そのため今までの劇場版のようなパラレル設定ではなくTVシリーズと多少連動したストーリーとなっていますが、話は独立しているのでTVシリーズを知らなくても十分に楽しめる内容になっています。
'仮面ライダーエターナル
今作最大の敵であるNEVERのリーダー大道克己が変身する最凶最悪の仮面ライダー。旧式のガイアメモリを機能停止させWを完敗させるほどの実力、目的達成の為ならば自分の母親を殺す残忍さ。まさに悪の仮面ライダーにふさわしい仮面ライダーでした。松岡さんの演技力も本当に素晴らしかったです。
'NEVER
わずか5人の最強の不死軍団。今回の劇場版の最大の敵です。SOPIAの松岡充さんが演じる大道克己をはじめ、片腕マシンガールで主演を勤めた八代みなせさんが演じる羽原 レイカ。オカマの演技が非常に印象に残った元格闘家である須藤元気さんが演じる泉 京水。強靭な肉体とハイテンションな喋り方が特徴の平成ウルトラ三部作でスーツアクターを努めた中村浩二さんが演じる芦原賢。轟轟戦隊ボウケンジャーでボウケンシルバーを演じた 出合正幸さんが演じる芦原賢と超個性的な面々がそろっています。特に須藤さんのオカマ演技には脱帽しました。
''仮面ライダージョーカー
今まで2人で変身していたWですが今作では遂に翔太郎一人で単独変身します。黒を基調としたデザインはカッコよすぎるの一言です。
以上が自分が今作で素晴らしいと思った点です。ディレクターズカット版にも期待したいとお思います。