ヴァレンティノ [DVD]
国内では初DVD化だと思いますので、ケン・ラッセルのファンとしてはうれしい限りです。
英国BBCでの演出家時代から芸術家たちの生涯をスキャンダラスに描き続けて名を挙げたラッセルですが、この映画でも芸事で人生メチャクチャになっちゃった人の悲喜劇を、虚々実々の創世記ハリウッド暗黒伝説を織り交ぜながらエキセントリックに描いていて魅せてくれます。開巻いきなり、ヌレエフ演じるヴァレンチノがニジンスキーと男同士で熱烈にタンゴを踊ったりします(故・淀川長治氏はこのシーンに大喜びしてましたw)
ラッセル映画といえば、狂気じみた強烈なパッションやエゴの持ち主が主人公で、「創造」や「信仰」や「愛」や「セックス」に取り憑かれた非凡で濃ゆい人たちの激しい人生や壮絶な死に様を、ラッセルならではの奔放なイマジネーションで描き出し、観客に衝撃と感動を与えてきました。が、この映画は「オレンジ畑を持つのが人生の夢」という平凡な人ヴァレンチノが、ハリウッドというグロテスクな怪物にむさぼり尽くされ最後には破壊されてしまうというトホホなお話で、いってみればタンゴをBGMにアール・デコ美術で繰り広げられるSM的ミュージカルみたいな映画です。華麗なんですが、どこか核心を欠いた空転感が全編に漂ってます。
聖林伝説のインチキさや映画という偶像崇拝の残酷さを痛烈に描いていて面白い映画です。でも以前のラッセル作品にあったパワーは希薄です。これを機にラッセルは何本かアメリカで撮る事になりますがイギリス時代より緩いグダグダ感が否めない作品群でした。イギリスの暴れん坊監督もヴァレンチノを潰した伏魔殿・ハリウッドにはちょっとヤられたのかもしれません。そんな意味でも彼のひとつの転換点となった映画だと思います。
ヴォイス
ジャズはあまり聴かないのですが、上原さんの演奏スタイルがとても好きで、こちらの作品も聞かせて頂きました。
プログレッシヴロックが元々好きなので、作品を聞いた時、「おやっ、プログレ+ジャズ?」という感動と驚きを覚えました。
上原さんの聞かれる音楽ジャンルの広さを垣間見ることができます。
また楽曲の良さはもちろんのこと、メンバーとの息のあった演奏も筆舌に尽くしがたいものがあります。
クラシックの曲や「Haze」のような音色の違う曲もあり、一枚を通して聞いて、飽きのこない作品です。
ヴォイス(初回限定盤)(DVD付)
「上原ひろみ」、JAZZファンでなくても何度となく耳にしていた注目のアーティスト。
一部のJAZZファンからは辛口の評価もあるようですが、ジャンルは関係なくこれほど感性に訴えかける音楽って
近年なかなかないと思います。
日本人にもこんなアーティストがでてきたのかと誇らしく嬉しく思うと当時に、
今後の彼女の息の長い活動を心から期待します!
ワイズ・アフター・ジ・イヴェント
元GENESISのG、アンソニー・フィリップスのソロ作。1978作
彼のソロ作は日本ではほとんど注目されてきていないが、
初期の作品は「THE GEESE & THE GHOST」に代表されるように、
おとぎ話のような繊細で、しっとりと優しいアコースティック作となっている。
このアルバムは珍しく歌ものメインで、全編ゆったりとした夢見心地の音楽が詰まっていて、
自身のヴォーカルや、やわらかなアコギ、ピアノなどがはかなくも美しい