カウントダウン・オブ・「スカイ・クロラ」count.3 [DVD]
ポーランドのロケハン映像、スタッフの皆さんが、とても楽しげで面白かったです。
オマケで付いてる「キャラクターシール」も、大変ウケました。可愛い〜!
映画本編DVDのオマケとして、メイキング映像が付くのは最近当たり前のことですが、
映画が出来る前に、作ってる途中を自然な形で(派手な演出をせずに)
同行してるような視線で見せてもらえる体験、というのは面白いなと思います。
監督の過去作品のファンの方や、
単に、1つのアニメ作品として興味を持っている方、
「映画館で見るまでの前情報は欲しくない、
原作も読まないし、完成された映画だけを、真っ白な状態で見たいんだ!」
…という方には、当然ですが全く楽しくないと思います。
けれど、
原作を先に知っていて、もともと原作の方が好きで、
今回、たまたま押井監督に映画化されることを知った方、
映画作りの追体験をしたい方には、すんごく楽しめると思います。
自分探しと楽しさについて (集英社新書)
「自由をつくる、自在に生きる」からの3部作と同じだろうと思って、購入を躊躇っていました。
書店でパラパラめくると、少し違うなと感じましたので、購入して読みました。
位置的には、自由論・小説論・工作論で読者からの意見について考えた内容を、自分とは何か、楽しさを見つけることではないか、
その上での他者との関係の取り方について書かれています。
他のエッセイに比べて、ずいぶんと分かりやすく伝えようと書かれているなという印象です。
自分探しで海外に行くようなこと(自分探し)と、趣味で面白いと感じるようなこと(楽しさ)がほぼイコールであるという主張です。
自由論・工作論と似ていますが、やりたいことの要素は何なのか、そしてそれらは工作キットのように売られているものではないという説明には納得しました。
すベてがFになる (講談社文庫)
トリックや作風はとても理論型な作品と感じました。
タイトルの「F」のキーワードの意味も、総合的な結末も「なるほどッ!」とうなづける作品で、
読後もスッキリする、理の筋道にしっかりと乗っている作品だと思います。
ただ、各登場人物の感情や行動が、
「なぜその行動に至ったのか?」「なにがそこまでさせたのか?」といった部分が薄く、
感情移入ができないからか、「グイグイと引き込まれていく感」が持てず、
読中に「先が気になるから読みたいけど、う〜ん…まだ○○ページもあるのか…」と、
ついつい何度か思ってしまいました。
理系、というよりもミステリー性やトリックの解明の醍醐味を味わいたい方にはとてもお薦めだと思います。
ただ、ミステリーの中にも、作中の人物に感情移入して引き込まれたい(惹きこまれたい)といったことを求められる方には、
少々読むのがキツイかもしれません。
スカイ・クロラ [DVD]
森博嗣の原作小説は大好きだ。
原作小説では「地上の煩わしさ、低俗さ」と「空(空戦)の純粋さ、崇高さ」がひたすらに語られるが、このアニメの空は結構煩わしい。
森博嗣の原作であれば、決して空に恋愛感情を持ち込みはしない。
それは余計な重量物に過ぎないからだ。
テーマや原作への忠実さという意味では、かなりの原作クラッシャーだった。
が、しかし作品を通底する雰囲気には非常に似通ったものを感じた。
純粋でいられないことへの落胆、とでも言おうか。
あと空戦シーンで感じる「重量感」が凄いと思う。
逆説的に「空を飛ぶことの偉大さ」を感じた。
またいつか観ると思う。