惡の華(1) (少年マガジンKC)
怖いです。初めて読んだときはものすごく怖い。
少し変わった漫画を求めているあなたは是非読んでみることをお勧めします。
変態の、変態による、変態のための漫画。かもしれません。
これからどう転ぶのか、作者の力量に期待します。
惡の華(2) (少年マガジンコミックス)
特に二巻が凄すぎます…。なんかえーっという展開が多すぎて目を覆ってしまいます。そ、そこまでやらなくても…。と思いながら
読んでました。でも佐伯さん可愛すぎです。私は女性ですけど、女性目線から見ても佐伯さんは可愛いです。春日君も純粋な感じが
お似合いでしたけど、そこに…仲村さんが…。ちょっと仲村さんの気持ちは理解に欠けますけど、漫画として読むだけなら、絵も
丁寧な感じで読みやすいですし、楽しいと思いますよ。おすすめします。
惡の華(3) (少年マガジンコミックス)
この巻ではにわかに仲村の存在感が増します。
これまでは、春日の佐伯クンへの恋愛物語、と見せかけてきた「悪の華」ですが、
実は仲村と春日の恋愛の物語ではないのか!? と感じさせるのがこの巻です。
確かにこの巻の佐伯は健気で情熱的ですが、なんか嘘くさい感じがします。
理想的な恋愛像を作り上げて、それを演じて酔っているという印象なのです。
それに対して、いままで容赦なく春日をいたぶっていた冷酷無比の仲村は、妙に人間くさくなってきます。
これまでもふとした拍子に、闇の内面の存在をちらりと覗かせてきた仲村ですが、この巻ではそれが正面から描かれています。
勿論、まだ仲村が何を考えているのか、どういう奴なのかははっきりとは分かりません。
しかし、現実のくだらなさにいらだち、どうしようもない憤りをため込んでいることは明らかです。
春日は仲村のいたぶりを真正面から受け止めていますが、それが彼女の救いになっているようです。
仲村は、自分の内面世界を自覚し、世間の嘘くささをはっきり見て取り、それに復讐するポジの存在ですが、
春日の方は、そのことに気づいていないだけで同じ世界を共有しているネガの存在だといえます。
そしてこの二人を仲介して、二人がどういう存在なのかを明らかにするのがいわば現像液としての佐伯さんです。
だしに使われる佐伯さん、かわいそう!?
二人の関係を恋愛といっていいのかどうなのか、その辺は微妙で、むしろ同志と言うべきかもしれません。
確かに誇張された形で描かれ、それに目を奪われると見えるしらける作品ですが、
実際には、誰の心にも澱んでいる暗いエネルギーを取り出して見せた異色のシリアスドラマだと
私には思えます。