ザ・ブラック・ナイト
ブラジルのメロディック・メタルバンド、ウィザーズの2011年作
1995年にポストANGRAと期待されてデビューし、好作を残しながらもバンドはなかなか安定せず、
活動停止とメンバーチェンジなどをへて今作は6作目となる。VoとKey以外はメンバーが変わっており、
前作「The Kingdom 'U」が微妙な出来であったこともあって、さして期待はしていなかったのだが、
のっけからシンフォニックな美麗さとキャッチーなメロディでたたみかける、かつてのサウンドに一安心。
クラシカルな優雅さとQUEENなどを想起させるやわらかなコーラスワークに、
プログレッシブな知性を感じさせる展開美…これぞウィザーズである。
デビューから15年あまり…今度こそ、この作品でより多くの認知度を得ることを願いたい。
Streets
知らない人もぜひ騙されたと思って、聞いてみてください。ハードロックを普段聞かない方でも(私も)絶妙のピアノとボーカルに必ず引き込まれるはずです。バラード系の曲が多く聞きやすいアルバムです。
ウェイク・オブ・マゼラン
クリス亡き後のSavatageは作曲面で不満の残る作品も出しましたが、今回はすごい。
マゼランの子孫が現実に起こった事件に直面するという社会派のコンセプトは今までどおり、
暗くシリアスで感動的に盛り上げる、ハリウッド映画のような直球ドラマ路線の到達点とでもいうべき出来栄え。
なにより曲がいいです。キャッチーさもフックもあり、ストリングス等の豪華なアレンジも空回りせず、まさに大作映画を見ているような興奮が迫ってきます。
これはミートローフのロックライダーシリーズに匹敵するシアトリカルロックの傑作なのではないでしょうか。