2円で刑務所、5億で執行猶予 (光文社新書)
『竿だけ屋』以来、軽めで目をひきやすいタイトルの本が増えたが、本書の内容はその軽さと対照的(タイトルは編集者がつけたもので、著者は不満なようだ)。犯罪に関する一般的な誤解や、検察・裁判所の問題点を、データをもとに明らかにしている。犯罪学の啓蒙書としてよくできている。素人にもわかりやすく書かれている。海外の犯罪事情との比較も興味ぶかい。割れ窓理論は本当はどう理解すべきなのか、日本でも良く提案されるスケアード・ストレイト(犯罪者による反面教師教育)、ブート・キャンプ(新兵訓練)は非行・犯罪防止に本当に効果があるのかを実証データを紹介しながら論じている。こうした最も重要なはずのエビデンスへのこだわりが日本の犯罪論には一番欠けていることがよくわかる。
裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)
本の帯に「面白すぎ!」とあるが自身が裁判経験のない人にとっては第3者的に傍聴すれば面白いかもしれないが、不当な裁判や調停の経験者としては複雑な気持ちです。ただ、裁判ウォッチャーなる人たちがいるということを知ったり、裁判でもいろんなケースがあるということを素人でも興味深く読める点では評価したい。それと裁判ウォッチャーという存在により裁判官や弁護士に対して抑制力となるのではないかとも思いました。当事者としての経験もふまえて読みました。
発狂逆立ちオナニスト
曲も歌詞もぶっ飛んでます。強烈すぎるインパクト、放送禁止でヤバイ、開き直ったようなエロさ。ここまで貫いたら立派です。圧倒されます。Dirのエロと狂気の世界をエロ寄りで極端にディフォルメ化し、ギャグ・ユーモア・歌謡曲っぽい切なさを絶妙にブレンドし、針の振り切れた変態的で異常な世界を作り上げている。初めて聞いた時はかなり衝撃だった。
「性的緊張インプラント」はトリッキーな曲調。歌謡曲っぽい非常に切ないメロディーで別れの悲しみを純粋につづった詩を歌ったかと思ったら、それが急変する曲調とともにイカレた笑い声をあげたり激しく卑猥な内容を叫び出す。その落差が異常で病的。「指切りかわした…」の部分の綺麗な高音には本気でうっとりしてしまうが、やっぱり卑猥な叫びがすぐ後に待っている。やってることはむちゃくちゃなんだけど、それが良い。「縄」は切ない名曲。胸をしめつけるメロディー。放送禁止な単語は皆無の真面目な曲…なのに「性的緊張インプラント」と「執行猶予三年」に挟まれていて題名が「縄」だからどうしても変な風に思ってしまう。「執行猶予三年」はストーカーの歌。内容がいやにリアルで怖い。詩の語調が無邪気なのが不気味で病的。狂ってる。果ては、XXを飲みなさいとか言い出すし…いろんな意味で圧倒されます。
裁判長!これで執行猶予は甘くないすか (文春文庫)
前作も同様に今作も面白さ満天!!
読み応え十分ですが、前作とは違って場慣れした感が漂う今作。
前作のような手探りに傍聴の極意を探っていく過程など傍聴初心者ゆえの著者の戸惑いのような親近感はさすがに薄れていますが…。
傍聴する姿勢は一般人の視点そのものなので摺れてない感覚が好感を持てます。
人間観察にはもってこい!というような被告の裁判所での態度も含め。
弁護士や証人や検察官や裁判官までありとあらゆる人たちの言動が人間の滑稽さや悲しみに凝縮されているようで可笑しい。