オイレンブルクスコア ベルリオーズ 序曲≪ローマの謝肉祭≫ 作品9 (オイレンブルク・スコア)
オイレンブルクの輸入版は概して値段が高く、買うのを躊躇しがちですが全音との提携によってかなり安い値段で購入することが出来ます。
この提携版は、全音の既存のレパートリーに配慮してか、その作曲家の代表作よりは少し珍しい作品が多くなっており、それだけに貴重なものです。
版は輸入版のリプリントのようで音友などとは違い、アナリーゼよりは曲が成立した過程などを中心にしたスタイルの解説が付いています(もちろん日本語)。
ベスト・クラシック100
最近この手のクラシック・オムニバスというか、良いとこどりのコンビレーションCDを良く見かけるようになりました。人気があるせいか、いろんなのがあり、いざ買おうとすると選ぶのに迷ってしまいます。私も迷った末、曲目数に比して価格の安いと思ったこの作品を買いました。お徳ではあるのですが、やはり細切れであることに変わりありません。BGM用としてならお勧めできますが、じっくりと味わうべき音楽を、時間を惜しみながら聞いているような気分に襲われました。クラシック音楽を楽しむ、という行為には遠いかもしれません。サンプル集といいますか、そんなおつもりでお考えになられた方が良いと思います。
ベスト・マリア・カラス100
マリアカラスの歌を初めて聞いてから10年程経つでしょうか お世辞にも綺麗な声とは言えませんしかも録音も古く大御所に対する歴史的興味で聞いて居ましたが昨今発売されるCDは音源も最適に処理復元されており心から愛聴出来るものになりました。さてこのカラス100ですが誠に素晴らしい、声が脳天を揺さぶり遠慮なくあなたの心をわし掴みにする事でしょう 奇を衒わず王道の歌いっぷり曲毎の慈しみ これ以上何を望みます、すぐお買いなさい。人生がより深くなります。
OGTー235 ベルリオーズ 幻想交響曲 作品14 (Ongaku no tomo miniature scores)
この《幻想交響曲》のスコアは、最近の新全集版の研究成果も盛り込まれており、楽譜に書かれた指定も、多くの版がイタリア語に書き換えているようなところも、もとのフランス語で記している。(フランス語とイタリア語の対応表が付いているので、フランス語がわからなくても問題は無い)
コンピュータ浄書のためきれいで見やすくベーレンライターなどの輸入版より価格も手ごろでよい。
さらに、ベルリオーズ自身が楽譜に書き込んだ注意書きも下に添えられており、この曲を研究する上ではまさに欠かすことの出来ない一冊である。
ベルリオーズ 「幻想交響曲」 / SACD
ここ何年か高音質化をうたったSHM-CDやSACDが発売されていますが、その中には心底素晴らしいと感激するものと、逆にその効果に疑問を感じるものと両方あります。しかしこのエソテリックの幻想交響曲ほど、その音の良さに衝撃を受け、感動し、感激し、買い直して良かったと深い満足感を覚えたものはありません。自分が今まで買った中では2008年にSHM-CD化されたデッカのクナッパーツブッシュのワーグナー名演集とともにベスト2です。
どのような音なのかは、他のレビュアーの方の優れたコメントの通りですが、あえてつけ加えることがあるとすると、その音場感と空間表現の素晴らしさで、オーケストラの楽器間の前後関係まではっきりと聴き取れます。こういった前後感は80年代のデッカのデジタル録音あたりから可能になったと思っていたので、この時代のアナログ録音にそれが鮮明に刻まれていることに衝撃を受けました。まるで最新のデジタル録音のようかそれ以上です。
ひとつだけ残念なのは、ハイブリット仕様なこと。この盤に限らずハイブリット全般にいえることですが、どうしてもシングルレイヤー、SHM仕様に比べると、音が硬く肉質感の良さや艶やかさで一歩を譲るからです。これがシングルだったらいったいどこまで音が良くなってしまうのか・・・。とは言えここまで良ければ文句なし。このSACDを作った人たちの情熱の乗り移ったような音の良さを多くの人に聴いてほしいです。