少林寺 激怒の大地 [DVD]
最初、それほど期待せず観ていた。しかし、ぐいぐい引き込まれ、見終わった後は、ほろ苦さと、遠い過去の郷愁を感じる良い映画であった。場面で流れるBGMの一部が、日本のアニメ映画で使われた曲の一部とのうわさなど気にならない。
武当山は、日本人の中国通の方々にはよく知られた名山で、この映画は、武当山でも有名な「紫雲殿」の前でもロケ地としてカメラを入れている。この地で、主人公が、道長から指導を受けて修行する場面は、壮大な背景とあいまって印象的である。
武当拳法は、この地で修行したと伝えられる明時代(?)の張三豊が創始した拳法であり、それが後世の太極拳に繋がったとする通説あり(決して俗説でない。)、この映画中で道長の演ずる武術も、福建省の映画製作担当者の判断で「武当拳」なのであろう。もっとも、場面中で演じられる拳法の種類など論じても無意味だが。
武当山での修行のひと時、主人公が初めて「自分は僧侶である。」と打ち明けた時、彼に恋心を抱く武術家の若い女性が、強い衝撃を受け「私をだましたのね!」と憤っている場面は、中国の出家僧侶は結婚を禁じられているからで、こうした場面も含めて、この映画の随所に、素朴で純粋な人間の心情がほとばしり出ていて好感が持てる。また、映画の前半、少林寺の道長が、従容として自決の道を選ぶ姿は、いかにも当時の責任ある立場の人間としてのあるべき姿であろう。
そして最後、主人公が晴れて昇進する儀式の途中で、これまでの道のり苦楽を共にしてしてきた先の女性が去って行く姿を、主人公が、くびすを返して振り返って見る場面、これも戒律に縛られている僧侶とは言え、男の自然の人情が出ていてほほえましい。単なるアクション映画以上の感慨を感じたのは私だけだろうか。
人生を豊かに歩むために大切なこと どうでもいいこと
本書の中で印象に残った箇所を1点だけ挙げるなら、
金持ちの友人が自分でアルバイトをして買ったポンコツ車に
乗っている理由を話したところでした。
ただ単にそうしているのではなく、自分なりの確固たる考えを
元に、ポンコツ車に乗っているというのは、あらゆることに
通じる考え方だと思いました。
テーマが大きいため、漠然とした感じの内容も多かったし、
「デュボア思考」の方が良かったと個人的に思いましたので
マイナス星2つとしましたが、新たな気付きも数点ありました。