陸軍2式単座戦闘機「鍾馗」 世界の傑作機 16
恐らく、第二次大戦で使用された国産戦闘機の中では不人気度抜群!
そんな鍾馗ですが、世傑の方はいい出来です。
不人気機の割にはクリアーな写真も多く、どちらかと言うと日本機離れした独特のスタイルがよく判ります。
また「整備の神様」刈谷大尉の手記は、鍾馗の話に留まらず「日本軍の組織的な整備力の低さ」が鋭く指摘されており、なかなか考えさせられます。「日本の飛行機はエンジンがすぐ壊れる!工業力が低いからだ!」と結論付けちゃう前に一度読んで欲しいですね。
でもこの頭でっかち尻つぼみ、小さな変な形の主翼の鍾馗は見れば見るほど「いい味」出してます。空力的にこれでもかと洗練された他の日本機のデリケートなラインとは全く違う、「スピード出すんだ!高翼面加重がなんだ!」って熱い思いが大胆かつ豪快な基本ラインを描きながらも、細部には日本的かつオリジナリティ溢れる処理も隠され、実に個性的で魅力的。後に疾風の基礎となるような細部設計もアチコチに見られ、見所も沢山ですよ!
日本よりも外国からの評価が高く、もし日本軍に「一撃離脱戦法」を理解し実践出来る指導者がもっといたら鍾馗は世界的名機になってたかもしれませんねえ。 え?贔屓の引き倒し? いいんですよ、スキなんですからw