実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)オリジナル・サウンドトラック
本編は190分の長尺作品でしたが、劇場に8回も通ってしまいました。
作品の前半部分に挿入されていた、学生運動の貴重なニュースフィルムの息遣いが、ジム・オルークの音楽とともに、自宅でよみがえってきました。
「遠山のテーマ」はまた、えぐられるようなせつなさでした。
惜しむらくは、渚ようこの「静かな最前線」などの挿入歌が収録されていなかったこと。これも聞きたかったのですが、本編DVDまたは渚ようこの「あなたにあげる歌謡曲2」を購入する以外、入手方法がなさそうです。
腹貸し女(若松孝二傑作選3)
とりあえず、買えなくなる前に買っておいた方がいいと思います。ジャックスBOXのCDには収録されなかった、今までは映画本編を観ないと聞く事が出来なかった音源も初収録です。聞き所は、GSのカバー・インスト曲・ベースのチューニングかな?
レッド(1) (イブニングKCDX)
面白いです。
淡々とした作風。平凡な青年達がサークル気分の学生運動の延長で
テロ事件を起こし追いつめられていく風景。
「坊っちゃんの時代」や「犬狼伝説」と同じ匂い。
彼らは理想も生活の不如意もなく本当にサークル活動の延長で動いているに過ぎない。
彼らが起こしている事件は本当に犯罪そのものなので同情はできないです。
守る民衆も政治的主張も空虚だ。実態感がなくて被害者の立場を考えずに
自分達の仲間が警官の正当防衛で殺されればいきり立つ。
この一見内輪の楽しい世界。
そして自分勝手な世界。
これが後に地獄絵図と化すのか・・・と思うと自業自得のように思えるもどこか切ない。
気になったことは学生運動における女性運動員の性的な圧迫が端折られている事。
赤城と筑波の経緯(モデルの人物の実話)、宮浦の語る「救援」の意味。
調べればあまりにも惨い内容で事件の遠因にもなっている出来事だと思うのだが・・・。
もしかしてそれは冬の妙義山にフラッシュバックとして語られるのだろうか?
連合赤軍物語 紅炎 (プロミネンス) (徳間文庫)
週刊誌連載だし、またいい加減な憶測で書いた半分以上フィクションかなあと思い立ち読みを始めたが、買って帰りその日のうちに読み終えた。
まず連赤当事者、特に犠牲者に対する暖かい敬意が全編に流れている。短絡した道徳律でもって彼らを断罪したりしていない。
次に、出尽くした当事者、関係者、研究者の本が時代とともに古びて行く中で、刑期を終えた植垣氏や獄中の吉野氏などからの新しい取材が生かされていて、知らなかった新事実が含まれている。
切り捨てられたり端折られたりしているところも多いが、連合赤軍のことを正しく知りたい初心者と関連本を読み尽くしながら公判調書までは手を伸ばしていない私のような半マニアにはいい本だと思う。限られた時間の中で質のいい情報が得られる。
大衆週刊誌(宝石や大衆)の底力を見た。週刊朝日やサンデー毎日ではこうはいかないだろうし、文春や新潮ではこの問題には毀損記事しか書けないだろう。