シェーンベルク : 月に憑かれたピエロ
1912年アーノルド・シェーンベルク作曲の新ウイーン楽派を代表する名曲。正式名称は「オットー,エーリヒ・ハルトレーベンの独訳によるアルベール・ジローの「月に憑かれたピエロ」より7編の詩からなる3部。シュプレッティシュティンメ、ピアノ、フルート(ピッコロ持ち替え)、クラリネット(バス・クラリネット持ち替え)、ヴァイオリン(ヴィオラ持ち替え)、チェロのための」。
これはブーレーズ二度目の録音で、最初のH・ピラルツィク(朗唱)・ドメーヌ・ミュジカール・アンサンブルこそが最高の『ピエロ』だと思う。ピラルツィックの朗唱は二度目の録音のミントンよりは語りに近く、不気味さを感じさせ、こちらの方が詩にはあっている。この最初の演奏はCD(ADES)で出ているようだが、少し値段が高いようだ。
ともあれ、これを聴かずしてクラシックを語るなかれである。
4大ヴァイオリン協奏曲集
ヨッフムは協奏曲なのに交響曲みたいな指揮をしている… 彼の重厚な音作りを聴きたくて買ったんじゃないんだよね、ただミルシテインの名演が聴きたいだけなんだな、そんな基本的な事が全く解ってない… 私の中でヨッフムはベーム、ジュリーニと並ぶ最高の指揮者だったんだけど株を下げたね。 逆にアバドの交響曲を聴いてどこら辺に美学があるのか全く以って理解できなかったんだけど彼は協奏曲ではソリストの魅力を最大限に引き出す素晴らしい指揮をしている… メンデルスゾーンなんてミルシテインの弾きたいテンポで好きな様に弾けてる、やっぱりブラームスは窮屈そうだ… アバドは如才ない、細やかな気配りが効いてて割りと軽快なリズムがミルシテインに合っててバイオリンがよく歌ってます。そりゃあそうだ… 元はオペラを振ってたんだからね。ウィーンフィルらしい弦の美しさもアバドの方がよく引き出す感じ… ヨッフムは全体にリズムのキレが悪くもったりしててティンパニがうるさい!ブルックナーと同じじゃ困ります。チャイコフスキーはミルシテインが入れ込み過ぎじゃないか(笑)と思うくらい弾きまくってるよね、オケもよく付いて行くなと感心、やっぱり黒子に徹してるアバドの力量は凄い! 最後のベートーベンがミルシテインじゃないのかと落胆… ってか思わぬ拾いもの… これは凄い、間違い無く名演!ズカーマンはキーキー神経質そうに弾いてる上手いだけで精神性とか微塵も無い人だと思ってたんだが、彼は実に誠実でアーティキュレーションも完璧!ケチの付け様が無い… シカゴ響をコントロール仕切ってるバレンボイムにも拍手!いやぁホントに楽曲の解釈の明快さ、完璧な演奏、録音の素晴らしさ、一分の隙も有りません… で尚且つ聴き終えると不思議な爽快感が有り、ぐったりと疲れる様な演奏じゃない!素晴らしい!
エヴリディ・バッハ~究極のバッハ・ベスト
バッハなら何でも聞いていたい、という私には嬉しい企画のセットです。バッハ作品のCDはたいてい持っていますが、ショップで見て思わず買ってしまいました。仕事をしながら、BGMのようにバッハをかけたりしますが、無伴奏にしようか、それともきょうは合唱曲の気分かと、迷ったり、あるいは聞いていてCDを替えたりする、そんな手間も気遣いも要りません。お任せで、いろいろ聞けて、しかも全部バッハです。なんとぜいたくなこと。
7枚のCDはSUNDAY「新しい1週間に向けて」からSATURDAY「心豊かな週末」までの1週間という趣向で、バッハ作品がジャンルを超えて組み合わせられ、1枚が70分前後です。無伴奏ヴァイオリンの「シャコンヌ」などは水曜日にはピアノで、土曜日にはシェリングのヴァイオリンで聞けます。もちろん15分ほどの演奏フルで入ってます。よくある寄せ集め名曲集のようにサワリだけなんてことはありません。逆に、平均率クラヴィーアを1時間も2時間も聞き続けたいわけではなく、20分も聞いたら、チェロが聞きたい、コラールが聴きたい、というわがままな聴き方が出来ます。(きっと本格的なバッハファンは邪道とおっしゃるでしょうが、大きなお世話です。)
今、フライシャーでピアノ版「シャコンヌ」が終わったら、グールドの「ゴールドベルク変奏曲」のアリアが聞こえてきました。これで水曜日はおしまいです。いいですねえ。心豊かな気持になります。