痛みと歪みを治す健康ストレッチ
ストレッチの本を何冊も見比べて、評判の良かった本書を購入しました。
痛みの原因や骨盤の仕組み、ストレッチの重要性、ストレッチの正しいやり方に関する
詳しい情報が掲載されていて、最近間違ったストレッチで腰を痛めたばかりでしたので
本当に買って良かったと思いました。
ストレッチは体にいいのですが、やり方を間違うと逆効果になってしまいますので、
危険性を考慮して詳しく説明がなされている本書は本当にオススメです。
写真はカラーで見やすいし、色んな種類のストレッチが紹介されていて、どの部位の筋肉を
伸ばさなければならないのか、写真を塗りつぶして指し示されていて分かりやすいです。
欲を言えば、上から下にやって行くのがストレッチの正しいやり方だと言うのなら、
「首→肩→腰・・・」ではなく、「ふくらはぎ→太もも→尻・・・」という順番でストレッチを
紹介して頂いた方が読者には使いやすかったと思います。
長年のデスクワークのせいか、腰痛と坐骨神経痛に苦しみ寝たきり生活の時もありましたが、
地道に無理せずストレッチを続け、最盛期の痛みを10とすると現在はほぼ0になっています。
腰痛の時は体がとても硬かったのですが、体に柔軟性が出来てくるにつれ、腰の調子も
どんどん良くなってきました。
巻末に腰痛にならない為の正しい動作フォームが載っていますが、腰痛のみならず
美しい姿勢や立ち居振る舞いを身につける為にも利用出来ます。
絶対に手放せない、常備本になりそうです。
氾濫 [DVD]
1959年の映画。
最近このあたりの年代の映画にハマって見ているけど、市川昆とか小津安二郎の作品とは、全く違う、ドロドロしたいわゆる「問題作」のジャンルがこの作品だ。
大映という会社は、こういう下世話っぽい路線をいく会社なのだろうか。かなり興味がある。
「黒い十人の女」ではプレイボーイを演じた船越英二が、またまた最悪の役(脇役)で登場。主人公の超マジメな科学者の妻(どうみても年増で不細工)を訳もなくたらしこむピアノ教師を演じる。
ところが、この作品は、誰もかもが、欲望丸出しで、高潔さとか義理とかが主人公を含めて全く感じられないので、正直見ていて気分が悪くなる。
特に、川崎敬三演じる若い科学者は、田舎から上京した女友達を性欲の対象としか見ておらず、いとも簡単に、重役の娘(若尾文子)に乗り換え(しかも若尾文子の顔をひっぱたいて半分強姦)したかと思えば、親が重役でなくなったとたん、若尾をすてて、別の女に行ってしまうという最低男。
唯一、よい気分にさせてくれるのが、綺麗な女優さんたち(笑)。
若尾文子は、大映の看板女優ということで、綺麗なだけでなく、汚れ役でもやったうくらいの勢いを見せるので、是非他の作品も見てみたい。
左幸子は、マジメ科学者が過去に愛して、ふただび愛してしまう女を演じるが、相当色っぽい。
日本合唱曲全集「雨」多田武彦作品集
何度も聴いても、歌っても感動する曲であり、多田武彦氏の大フアンの一人です。何故、こんなに感動を覚える作品が生まれるのでしょうか?歌う喜びをまた、増幅させられました。ありがとう!
日本合唱曲全集 多田武彦作品集
混声合唱を20年以上続けてきました。大の多田武彦ファンで、多田氏の楽譜・CD・レコードも沢山収集してきました。昨年は、多田氏の指揮で「柳河」を歌い、感激した思い出を持っています。
このCDは、多田武彦の20代から30代にかけて生み出された男声合唱組曲の名曲を集めた物です。録音年代にばらつきがありますが、日本を代表する名指揮者と実力あるグリークラブの演奏ですので悪いはずはありません。お手本のような演奏ばかりです。
24歳の時に作曲した『柳河風俗詩』は、日本の男声合唱組曲を代表する曲です。師事していた清水脩の元で、作曲の勉強のためのエチュードとして作曲された作品です。後の多田氏の作風とエッセンスがその4曲全てに表れているように思います。
北原白秋が、古里「柳河」に対して、郷愁たっぷりに描いた一連の詩がとても親しみやすく、白秋特有の不思議な世界がそこに描かれています。
多田氏の全作品に共通することですが、そのモティーフとなる詩の選定からして的確で、情景がはっきりとわかる素晴らしい詩ばかりを選んでおられます。長い間、多くの人に愛唱されるためには、曲だけでなく、「詩」の存在の意味を忘れてはいけないと思います。
冒頭の印象的な男声ユニゾンの呼びかけからして個性的です。全編を通してノスタルジックで、悲しげで、日本情緒もたっぷりと含まれています。至極簡単なのに、味わいぶかい仕上がりになっているところが愛唱される所以でしょう。男声合唱特有の部厚い密集和音の縦割りのハーモニーです。
当時、多田氏は、作曲するためにオルガンを使っておられたというお話を聞いたことがありますが、まさしく、オルガンの響きです。ラストの郷愁を誘う終わり方も印象的な名曲です。
他の組曲もどれも大好きで、多くの「タダタケ」ファンにとっては必携のCDでしょう。
多田武彦「雨・雪明りの路」
畑中良輔指揮慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団と福永陽一郎指揮関西学院グリークラブによって演奏される男声合唱組曲『雪明りの路』を聞き比べ出来ることは嬉しい限りです。
大学の男声合唱団がメンバーの減少により往年の輝きを見ることが出来なくなった現在、このような過去の名演奏をたどることは日本の男声合唱の歩みをたどることと同意義を見出すことになりそうです。
御存知のように東の代表慶應ワグネルと西の代表関学グリーの競演です。ステージを数多く聴いてきたファンにとってこれらの演奏は、30年以上前の収録ではありますが、往年の素晴らしい演奏を追確認できます。厳密に聴きますと、微妙な和音の狂いも見うけられますが、当時の学生諸君の思いが如実に伝わってきます。
「春を待つ」の温かい響き、「月夜を歩く」の密集和音のハモリ、「雪夜」の終盤の美しさ、名曲揃いですね。
「雨」は、吉村信良指揮京都産業大学グリークラブと北村協一指揮立教大学グリークラブによる演奏の競演です。この終曲「雨」は多田武彦による数多の作品の中でも一番美しい趣を携えた曲でしょう。八木重吉の簡潔な詩にとても美しいメロディとハーモニーを充てています。男声合唱の真髄とも言えるハモリを体感できる曲なのは間違いありません。尾形光雄さんのテノールソロは感涙ものでした。