かの子撩乱 (講談社文庫 せ 1-1)
瀬戸内寂聴だからこそ書けたと思う岡本かの子の一生。深い業欲を持った女性である。まわりもさんざんふりまわされる。それなのにいやらしいとも思わないし、怒りが湧いてくるわけでもない。むしろなぜだか心のうちがすっきりするし、このような人生を送れたら悔いも残らないだろうと思えてくる。いろいろと迷惑をかけてもこのひと自身は純粋だったのだろう。ありのままに生きたというより欲のままに生きたという印象は受けるが、こういう女性の生き方にどこか心のどこかで憧れなくはない。岡本一平がかの子が死んだときに男泣きに泣いたというくだりにはこちらも泣けてくる。
生きることば あなたへ (光文社文庫)
入院中に同室の方の勧めでこの本を読みました。
入院生活が長く、自分の身に色んなことがあってマイナス思考になることが多く、様々なことを考えていた時期に読みました。この本には共感するところや学ぶところが多く、涙が溢れたページもありました。自分の心の中の叫びがこの本の中で語られていることで、勇気を持つこともできました。
特に、人には言えないような悩みを抱えている方、一人で悩みを抱えている方にお勧めだと思います。
般若心経・観音経
「ポケット般若心経 講談社の実用Book (大本山読経CD付き)」(ひろ さちや)を購入した後、「超訳でない解説本も読んでおこう」と思い、瀬戸内寂聴氏の「寂聴 般若心経」を読み、勢いに乗って「寂聴 観音経」も読みました。そこで「観音経」にも興味を覚え、iPodに入れるべくAmazon.co.jpでCDを探して本製品を購入しました。携帯用の経典付なので、2枚組みを思わせるパッケージの大きさです。収録内容は「摩訶般若波羅密多心経」(4分40秒)、「妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五」(19分30秒)、「妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五偈」(6分6秒)、「観音信仰について」(28分48秒)となっています。(全59分8秒、iPodに入れる容量として54.8MB)
この経典にはお経の部分には振り仮名がついているので、読誦をフォローしやすくなっています。あと大西良慶氏(清水寺元貫主)の解説「観音信仰について」が味があって良かったです。(コテコテの関西弁ですので、特に関西出身者は馴染みやすいと思います。関西弁に全く馴染みのない人にはややツライかも?) ただ、お経の意味を一字一句知るには解説書が別途必要だと思います。先に挙げた瀬戸内寂聴氏の文庫本は面白く読めましたのでオススメします。
孤独を生ききる (光文社文庫)
アンジェラ・アキさんが、雑誌で本書を推薦されていて、
そのコメントからとても興味を持ちました。
「私は友人の誕生日にこの本を贈ります。
最初はタイトルをみてぎょっとされるのですが(確かにっ!)
いい言葉がたくさんあるので、とても感謝されます」
今回初めて瀬戸内寂聴さんのご本を手にしました。
『孤独を生ききるにはどうすればいいか。』
本書を読み終えて、私の中での答えは、
人はみんな孤独であることを認識すること。
人はひとりで生れ、ひとりで死んでゆく。
恋人がいても、家族に囲れていても、しょせん孤独。
そして、
自分自身が孤独だと感じているときこそ、
だからこそ、私は真に人を愛せるんだと思えれば、
幸せだ。
と同時に、愛したら執着し、独占欲が生まれ、
苦しみが始まることも覚悟することだ。
そして、また孤独が一層深まる。
でも、
孤独と向かい合うことで、新しい自分と出会え、
人生の新たな道を発見できる。