アイデン&ティティ [DVD]
ロックの価値とは自分らしくあること、じゃあ自分って何だ?という自分探しの日々を描く。モラトリアムの時期を過ごした私のような者にとって胸かきむしられる思いがする。
中産階級に生まれ育ち、不幸なことに不幸がなかった、ディランのように旅に出る必然もなかった、というコンプレックスに主人公・中島はどうケリをつけたか。もがいた末の結論は観てのお楽しみとして、映画で披露される音楽はレベルが高い。中島役の峯田和伸はもちろん、中村獅童のヴォーカルも堂々たるもの。中島を病床で励ます場面の獅童は最高だ。
麻生久美子が素晴らしい。「君らしく生きようとする君自身のファン」に向かって中島が歌う場面が印象深い。その他、主人公達を見守る三上寛等、神様・ディランのハーモニカの妙技等、脇もしっかり固めてある。
ディランのファンだと、アルバムBringing It All Back Homeの本作への投影、散りばめられた歌詞、ラストワルツのディランのように歌えたという台詞に一層共感できる。
本エディションのオーディオ・コメンタリーは監督、峯田、みうらじゅんによる鼎談で聞き逃せない。
MOONRIDERS THE MOVIE「PASSION MANIACS マニアの受難」DVD+Collector’s Premium CD
言わば日本語ロックの生成に関わった人々が多数登場し、音楽業界という狭い村社会の歴史とその行き詰まりを描いている。
花鳥風月
『花鳥風月』に一貫している雰囲気は、“風流”であると思う。
ジャケ写の浴衣から見える女の人の足、CDに印刷(というか刻印?)されている花や扇子、そして、おさめられた名曲の数々。
ちょうど“『RECYCLE』問題”があったために“裏ベスト”と称されるこのアルバムだが、個人的にはこっちが“表”でもいい気がする。一般大衆向けではないけれど、なんというか粒揃いである。一曲一曲に、メンバーの秘められた情熱(笑)がこめられていると思う。その趣がなんとも風流なのだ。
裏的、影、そういうちょっと暗めなポジションにいる『花鳥風月』。でも、その“影”さえもキラキラと輝かせてしまうことができるんだからスピッツはすごい。「流れ星」「俺のすべて」「猫になりたい」「おっぱい」など、趣が違う13曲それぞれが、違う色の輝きを放っている。それはまぶしいくらいだったり、鈍く光っていたり、甘い輝きを放っていたり、色とりどりだったり…そしてどれもせつなさやさびしさをまとっている。
夏の夜の清流で、うつろに光るほたるを眺めているような――そんな風流が漂う1枚である。
ズッコケ男道
関ジャニの歌は最初聴いた時の衝撃がいつも凄い!今回はタイトルの時点でビックリだった。しかも一回聴いただけで頭から離れなくなる。今回は特に!個人的に好きなファンク調なのが要因…かな。今までは歌番組で聴くので満足してたけど、関ジャニ∞のCDを初めて買ってみようと思う!!
CYCLE HIT 1997-2005 Spitz Complete Single Collection
暖かいジュウタンの上に、メカニックなネジ。男の子も、女の子も気に入りそうなそのデザイン。そして、ますます洗練された、草野マサムネの詩的ワールド・・。
何回見ても、何回聴いても、心に染み渡る。