シャネル&ストラヴィンスキー [DVD]
此の映画の最大の価値は,春の祭典の初演時の様子が多少想像を交えつつも「映像化」されているということでしょう。
映画では,現存するシャンゼリゼ劇場での開演直前,指揮者のモントゥーがコンマスに『ベートーヴェンも…忘れろ。俺の指揮に付いて来い!』と言う辺りで一気に当日の世界に引き込まれて行きます。会場が騒ぎになり,警官隊が駆けつけるシーン迄。
活字では数多語られた「事件」。そしてニジンスキー版の舞踊(振付)と衣装(私じしん,2005年11月になる迄,ニジンスキー版(の舞台蘇演)を鑑(み)ることは叶わなかったのです)。当に歴史的事件に立ち会ったかのようです。
映画自体のストーリーは其の後も続いて描かれて行きますが,否,若し此の映画が二人の関係に焦点を当てているとするならば事実と虚構が綯交ぜに過ぎはしないでしょうか。
いや,シャネル(1月10日)とストラヴィンスキー(4月6日)は同一年(1971年)に亡くなっています。
そう,余談ですが同一年日本の銀座・三越百貨店1階の路面の一角に日本のマクドナルド第1号店がオープン(7月20日)。つい此間の出来事です。
「のだめオーケストラ」LIVE!
クラシックの敷居の高さを良い意味でぶち壊している、
画期的なCDです。
ようやく登場のラプソディー・イン・ブルー ピアニカ
バージョンは服部隆之さんの編曲で、とても凝っています。
オーボエ協奏曲はN響池田昭子さん、のだめ演奏曲の大
部分は三輪郁さんと「のだめ音楽会」を盛況に導いた
方々が演奏されているのも特筆する点です。
Sオケはのだめオケ、R☆Sオケは都響の演奏となって
いるようです。
何より、「2章節で間違えるバージョン」「光る青春の
喜びと稲妻バージョン」など、原作の音楽観をそのまま
再現した所にこのCDの凄さがあります。
是非聴いてみて下さい。
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 他
ヒラリー・ハーン、彼女の実演に接して興味をもち、この盤を購入しました。ブラームスのコンチェルトは、けれんみのないオーソドックスな表現と澄み切った美音で切々と心の琴線に訴えかける、まるでオイストラフ&セルのあの名盤を彷彿とさせる本当にすばらしい演奏でした。
Stravinsky: The Rite of Spring in Full Score
以前アメリカからの輸入で買いました。20世紀音楽を代表する傑作のフルスコアがこんな値段で買える時代に
なったことを嬉しく思います。CDより安いなんて。今や日本で買えます。クラシック・ファンのみ
ならず、音楽に関わる人なら、買って絶対に損はないです。ミニチュア版も出ていますが、ちょっとしか
違わないので、家でじっくり見るならこちらがお勧めです。
ストラヴィンスキー (作曲家別名曲解説ライブラリー)
船山隆氏による伝記(10頁ほど)と全作品リストがついており、曲目解説も見やすく、データベースとしての使い勝手はよい。
不満な点は、曲目解説のチョイスで音列主義時代の軽視が目立つこと。「カンタータ」も「ディラン・トマス追悼」も「カンティクム・サクルム」も「洪水」も「変奏曲」も載っていないというのは・・・???
他方、原始主義時代、新古典主義時代の代表曲はほぼ網羅されており、この作曲家のファンならまず手元に置いておきたい本という評価に変わりはない。