三陸海岸大津波 (文春文庫)
読んでいて戦慄が走るのを抑えられませんでした。
少なくとも明治以降の津波の歴史を真摯に受け取っておれば、今回の東日本大震災の津波被害はかなりの部分防げたと思う。
津波警報が出たならば、全ての予見や想定に囚われず、迅速に逃げることが一番重要であることは、生存者の貴重な証言として随所にちりばめられている。
海辺の町に暮らす大人は勿論、小学校高学年以上では子供たちにも読ませたい一冊であると思う。
三陸海岸大津波 (中公文庫)
三陸地方を襲った三度の津波について、極めて詳細な記録を追跡した圧倒的な資料集という気もする。それほどまでにこの本の記述は充実している。
特筆すべきは学術的な自然科学の本には記されていないような事柄が多数掲載されていて、個人的な興味から、地震災害に対する知識を深めていたつもりの私にも初めて知ることがたくさんあった。
ことに地震→津波襲来間に海から轟音が鳴り響いたり、謎の光が目撃されたことなどは興味深く、また、公式記録には残されていない場所にまで津波が届いていたとされる高さなどは、伝承や証言でしか知り得ないものであり、津波災害に対するアプローチとしては新鮮な角度に感じられた。
津波という広域災害は低頻度の大災害であるが故に、その危険性と恐怖を語り継ぐことが重要だと言われている。その意味でもこの本に記された津波の恐怖は広く知られるべきものであろう。
本書は2010年のチリ地震津波の1ヶ月前に読了した。災害報道で映像を見たところ、スマトラ地震で撮影されたような凄まじい水量の荒波とは違い、水面が次第に盛り上がってくるような津波だったことが見て取れた。
これは本書に記された1960年チリ地震津波の記録・証言「のっこ、のっことやって来た」、「モクモクと水面が盛り上がって押し寄せてきた」といった印象とほぼ一致している。同地区には過去10回近くも南米の地震で津波に襲われていたことも含め、極めて興味深い。
しかし、同時に津波警報が出ても避難しなかった人もかなりいたようで、本書の最後で「津波との戦い」について触れた著者にとっては無念なことのように思える。記憶と記録で語り継ぐことの重要性は、高度な情報化社会になっても決して衰えさせてはならないように感じられた。
宏八屋のさば缶三陸沖秋さばの水煮缶詰185g1缶
北三陸のサバ使用ということでしたので試しにかって見ました。水分が十分にあり脂ものっていて美味しくかったです。1缶購入でしたが、味にハマったので翌日も食べたくなりました。次回は3缶いってみます。