ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(下)
オバマ大統領は、原爆投下を謝罪すべきかを議論する。
DVDより読み返せる分わかりやすい。
下巻は学生との討論という形をとりながらより深い議論に入っていくので、上巻から続けて進む人はいいが
少し時間のあいてしまった人は上巻の目次だけでも眺めてから下巻に進むの良いかもしれない。
今回も哲学への誘いの形を取る。カント、ヒューム、ノージック、アリストテレス、ロールズ……
以下講義は次のようなテーマで進む。
・道徳を守るのはなぜか
・能力主義に正義はないのか
・私の正当な報酬はいくらか
・奴隷制に正義はるか
・愛国心と正義はどちらが大切か
・日本の戦争責任を議論する(オバマ大統領は、原爆投下を謝罪すべきか)
もしかしたら、哲学は世界を変えるかもしれないし、何人かの男や女を狂気に落とすかもしれない。
地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
フェルミ推定、とは、
雲をつかむような事象の物理量を、限られた情報をもとに、自分なりの仮説を設定しながら推定すること。
例の、
「日本全国の電柱の数は?」とか 「シカゴのピアノ調律師の人数は?」
といった設問に、限られた情報に基づいて自力で考えて答えを出す。
そういえば新卒採用時、某シンクタンクの入社試験で
「貴方の大学で、一ヶ月に使用されるシャーペンの芯の本数」 というのが出ました。
さて、内容です。
昨今、脳みがき系の本やゲーム。他にも、仮説検証力をつけよう!というビジネス書も流行っている。
実は、本書もメッセージの内容では、そういう類書とたいして変わらない。
#考えない風潮への危機感を共有しつつ、フェルミ推定をたたき台に身につける思考技術は、
フレームワーク思考や目的志向、アウトプット思考、相手を中心に考える事、などなど。真新しくはない。
ただ、そういったものと本書でアプローチで決定的に違うところがあるとしたら、
このフェルミ推定を意識する事で、
「自分で問いを設定するようになる事」 ではないか?
突飛ないちょっとした疑問でも、考えようとする習慣が身に付く事で 通り過ぎずに考えるようになる。
レストランで、「この店のランチ食べ放題はどれくらい儲かってるのかなぁ?」
などと考えた経験は多くの人であるだろうし、割と見え易い数字だ。それだけに頭のトレーニングにはあまりならない。
しかし、
「今、ランチに出かけているサラリーマンは日本でどれくらいだろう?」
を数字まで考える人はいない。(というか、自分は考えなかった)
答えが正しいかではなく、考える筋道を試行錯誤し、 そのバリエーションを楽しめるか?
その習慣を身につける事から、What?ではなく、Why?を考える人になる。
Plato, Euthyphro, Apology of Socrates, Crito (Clarendon Paperbacks)
この本にはエウテュプロン、ソクラテスの弁明、クリトン、以上三つの対話篇が収録されています。テキストの編纂者はバーネットなので、テキストに関してはOCT(Oxford Classical Text)と同じですが、こちらにはバーネット自身による詳細なコメンタリーがついています。
ですから、読む対話篇がエウテュプロン、ソクラテスの弁明、クリトンの中のどれかに限られているのであれば、OCTを買うよりもこちらを買ったほうがお得です。
Mr.ソクラテス (特別版) [DVD]
「マイ・ラブ・パッチ」「ラブストーリー・イン・ハーバード」「君はどの星から来たの?」に比べますと、キム・レウォンさんがイマイチといったところです。
ぐいぐい引き込まれていくような物語ではありませんでしたので、そこに原因があるのかなと思います。
個人的に一番魅力的だったのは、先生役のカン・シニルさんでした。