Down the Old Plank Road: Nashville Sessions [DVD] [Import]
アイリッシュ・トラッド・ミュージックの重鎮チーフタンズ。ヴァン・モリソンの「アイリッシュ・ハートビート」での共演から知ったのだが、映像で見るのは今回初めて。このDVDは、アメリカのブルーグラス、カントリー系のミュージシャンをゲストに、2002年に制作された彼らの結成40周年記念アルバム「ダウン・ジ・オールド・プランク・ロード」の発表にあわせて行われたコンサートを記録したもの。カントリー・ミュージックのメッカ、ナッシュビルで、アルバムのゲスト達を招いてのライブがタップリ2時間楽しめる。
収録当時のメンバーは、パディ・モローニ(イーリアンパイプ、ティンホイッスル)、マット・モロイ(フルート)、ケヴィン・コネフ(ボーラン、ヴォーカル)、ショーン・ケーン(フィドル)、デレク・ベル(ハープ、ピアノ)。デレク・ベルは直後の2002年10月に亡くなっており、DVDは追悼盤になっている。
ブルーグラスやカントリーには全く疎いので、「豪華ゲスト」といわれてもエミルー・ハリスとジョン・ハイアットしか知らないのでどうかなと思ったが、いやすごいすごい!!チーフタンズももちろん素晴らしいが、ゲストやバッキング・ミュージシャン達がまたみんな楽器も歌も舌をまく巧さ!!トラディショナルな音楽の世界はやっぱり奥深い。アパラチア山脈付近に住んだアイルランド系移民の音楽が、「マウンテン・ミュージック」と呼ばれ、アフリカ系の音楽と出会ってカントリー・ミュージックのルーツの一つとなり、さらにブルースと結びついてロックンロールが誕生するわけだが、そういう背景を知らなくても音楽そのものがものすごく楽しい。最後は例のリバー・ダンスの元になったアイリッシュ・ダンスまで見れて、すっかりいい気分になってしまう。
An Irish Evening [DVD] [Import]
リージョン2プレーヤーで問題なく再生できます。
星4つなのは,DVDなのであえて画質も評価すればということで,内
容には文句の付けようがありません。
1991年のコンサートなので,みんな若々しく,楽しそうに演奏していま
す。
San Patricio (Dig)
あまりの意外な組み合わせに、全く想像出来なかったが、聴き始めたら無茶になって、身体がこの新しく交わった音楽を吸収していった。
Ry、あなたの底知れない音楽家としての可能性に、2010年の今もワクワク出来る事に感謝します。チーフタンズの安定したアイリッシュも全くいつも素晴らしい‼
Another Country
チーフタンズがニッティ・グリティ・ダートバンド、エミルー・ハリス、ウィリー・ネルソン、チェト・アトキンス、リッキー・スキャグスなどをゲストにナッシュビルで録音したアパラチア&アイリッシュ伝承曲集。映画『歌追い人』にも描かれていだが、アパラチア山系に移植した人々は本国の古謡を伝承し、セシル・シャープなどの英国の民謡収集家を驚愕させた。20世紀に入り、ラジオやレコードの出現でこれらのルーツ音楽はアフリカ系アメリカ人の音楽を融合させながらカントリー音楽を形成してゆく。一方同時にニューヨークなどの都会のアイルランド社会の中で故国の音楽の商業化が進んだ。アイリッシュ・フィドルの伝説の転載マイケル・コールマンもアメリカで開花し、その奏法が逆輸入された。またバンジョーやフラットマンドリンなどアメリカ特有の楽器がアイルランド音楽に入り、やがて本国の音楽に伝播する。しかしながらあくまでそれぞれが独自の様式を保ちながら進化する。そしてこのふたつの潮流の合流点がこのアルバムなのである。カントリー音楽のスタンダードナンバーである "Wabash Cannonball" "Will the Circle Be Unbroken" などがイレアンパイプやフルートなどをバックに演奏され、見事にアイルランド化されている。移民の音楽が本国に回帰したのである。
Water From the Well
どんちゃん騒ぎみたいな大勢での元気なダンス曲もあれば、美しいハープの音色、渋いKevin Coneffの独唱、愉快な変奏、きれいで素朴なエアの合奏、Matt Molloyのちょっと形容しがたいほど見事に風流なフルートではじまる‘Lovely Sweet Banks of the Moy’など、いい音楽を随所に見つけることができます。
あまり大勢で演奏するところなんかは、「なんかうるさいだけ」と思われるかもしれません。
チーフテンズの代表的なアルバムの一つで、このバンドを知るにはよいCDかと思います。聞いていてもよくわからないけど、意外と名人とされる演奏家が多数参加してるようです。
アイルランドの伝統音楽が演奏されていますが、雰囲気としてはいくらか実際のものとは離れているようにも感じます。