スリー・アワーズ・オブ・サン
ひとりで全パートをこなす”一人バンド”は掃いて捨てるほど存在するわけだけども、
このバンドはPCオタクなインダストリアル系やブラックメタル系に比べて、
いい音を出してると思う。
しかし、商品としてはいいのかもしれないけど、
毒にも薬にもならない。
Mind Tricks (Extended Version)
恐らく、再発の輸入版と思われますが、国内版全収録曲+以下のボーナストラック3曲(国内版未収録)の曲構成となっており、廃盤になった国内版よりも断然お買い得な内容です。
12曲目:Celestial Turnace (Acoustic Version)
13曲目:Ringside Seat To Human Tragedy
15曲目:Nihilistic Overdrive (Remix)
ジャケットも国内版とは違いますが、シュールで奇怪な雰囲気を漂わせるデザインには、相変わらずセンスの良さが伺えます。
ファンの方ならば、買い増すだけの価値は十分にあると思います。
プリンセス・ジブリ
単なるカヴァー作品と思えないクオリティーの高さ。
『トトロ』、『崖の上のポニョ』は歴史に残る名カヴァー。
『君をのせて』の原曲イメージを壊さない美的メロディーとムンディによる完璧なアレンジ、そしてクラウディオの絶叫とメロとの対比バランスは見事。ジブリファン、メタルファンも双方安心して聞ける仕上がりとなっている。
個人的には『時には昔の話を』『やさしさに包まれたなら』もお気に入り。
いずれも完璧な演奏による疾走感溢れるアレンジに、抜けるように壮快な歌唱が見事にはまっている。
ただ残念なのは、ライナーノーツがない事。
できれば、この企画にあたっての経緯や詳細を純粋に知りたかったなあと。
あと、Disarmonia Mundiが名実共に偉大すぎるせいか、男性デス・ヴォイス、メタルヴォーカル炸裂を期待するリスナーも多いのは否めないところ。おそらく『プリンセスジブリ』というタイトルからして、アニメユーザーをも狙った女性ボーカル発端で考えられた企画ではないかと思われるが、発売前のリスナーへの一種の先入観が強すぎたのが、良い作品なだけに残念。普通に解りやすく嬢アニメメタルとして売り出せばよかったのに。ちょっと宣伝にデス色を押しすぎたかな、という印象。
ボーカルにはエットレ他、ブラステの紅一点Sophiaとロンドン在住のYokoが単体で参加。参加メンツについての経緯も気になるところ。
個人的にはこのコラボスタイルはアリ。女性ボーカルいいと思う。かなり目のつけどころがいい作品。
日本のコアファンからしてみれば物足りない意見もあるかもしれないが、この手のコラボスタイルはEUあたりではウケそうだし、原曲に忠実なシンプルな日本語歌唱を残す事で、一聴して解り難い外人にもアニソンだと理解し易いだろう。世界視野で日伊合作の配信を考えるエットレの意図的なネタのようにも見受けられる。
メタル系のシャウトや濁声が苦手なヤツも中には居るだろうし、正直デスのテンションが続くと需要が限られる。
その辺はジブリを絡めた上で考えてるようにも思えるし、バランスも結構上手いと思うけどね。
根本的に洋楽への憧れがある我々よりも、外人からの方が、格好良い作品、と受け止められそうな気がする。
まあ、いずれにせよ本人達にとってはネタだろうな。
その辺の配慮も含め、企画やメンバーの経緯等の情報を、せめてライナーノーツ上で伝えて頂きたかった気がする。
個人的には評価大。面白いし十分に聞きごたえアリ。
いろんな視野で楽しめる方には、超おすすめ。
デス色を極めたい方にはもの足りないかもしれないので、単曲で買ってみるとよいかも。
いずれにせよ、スキルが高いのは周知のとおり。