十三人の刺客 通常版 [DVD]
ストーリー自体は単純。それがいい。極悪非道の悪い殿様がいて、こいつが国政に参与したら国の危機だ、地方の城主のうちに討たねばと、密命を受けた御目付たちが参勤交代の大名行列を襲うお話です。それに対して君主を守ることこそ武士の本懐と、殿を守り抜くべく周到な準備を進める。
13人はもちろん、民と世の安定を守るために命を捨てる正義の味方なのだけれど、彼らが戦う相手とて、決して悪者ではないというところがポイント。
島田(役所広司)が共に暗殺計画に携わる仲間を見つけ、策を練り、訓練に励むくだりこそ、目立って大きな立ち回りはないが、その分だけ静かに、しかし滾る闘志を感じさせる描写が多く、温度は高い。特に、島田が老中土井の命を帯びて動いていることを悟った鬼頭(市村正親)が島田の屋敷を訪ねる場面など、穏やかに過去を懐かしみ、そして秘めた想いを語っているだけなのに、ヒリヒリするような緊張感がありました。
しかし、出色は物語の中心にある松平斉韶という人物像ですね。徹底的なヒールを演じた稲垣吾郎、よく頑張りました!!
刺客側は13人もいるので、末端のキャラクターまで十分に描けていないのが残念ですが、たぶんそれをやってしまうと「七人の侍」級の長さ(上映時間207分)になってしまうから、割り切って後半の大活劇に焦点を合わせようという考え方ではなかったかと思います。それでも141分の映画です。
終盤50分程が、すべて宿場での決戦に充てられているだけに、緊迫した場面が続くと観ているほうも疲弊するが、さほどそうは感じないのは、点々と軽く盛り込まれたユーモアのお陰でしょう。
特に、伊勢谷友介演じた木賀小弥太というキャラクターと、彼のハジケっぷりがいいアクセントになっています。しかもそれと同時に、彼との対比で侍たちが意固地に守り続ける価値観の滑稽さと哀しさとを浮き彫りする脚本の上手さ。
「斬って斬って斬りまくれ!!」「拙者、この太平の世に侍として、よき死に場所を探し続けておりました」「俺の背後に抜けた者を斬れ。一人残らずだ」等々、名セリフの数々は心に残るし、前述の島田の屋敷での役所広司と市村正親の一連のやり取りや松本幸四郎の男の意地の表現など、それだけで金を払ってもいいと思える見せ場も数多い。
志して候う
伊原さんのバイタリティーを感じる作品でした。
俳優さんとしてだけではなくお好み焼きのビジネスも成功させているなんて知りませんでした。
幼いころのことから現在に至るまでを知り、さらに興味がわきました。
十三人の刺客<Blu-ray>豪華版(特典DVD付2枚組)
次期老中職とされながら非道の限りを尽くす暴君、明石藩主松平斉韶。密命を受け、斉韶暗殺を目指す島田新左衛門等と斉韶を守る鬼頭半兵衛を頭にした家臣団との激闘。大満足の一作。島田新左衛門役の役所公司さんと鬼頭半兵衛役の市村正親さん、互いの義を懸けた生き様が凄かった。宿場ひとつを暗殺の為の要塞と化しての双方の激闘はスケールの大きさ、カメラワークの良さで圧倒的な質量で迫ってきます。斉韶役の稲垣吾郎さんの感情を見せない暴君ぶりもお見事。途中、偶然から新左衛門一派に加わる小弥太役の伊勢谷友介さんのはじけっぷりも絶品でした。
十三人の刺客<Blu-ray>通常版
ストーリー自体は単純。それがいい。極悪非道の悪い殿様がいて、こいつが国政に参与したら国の危機だ、地方の城主のうちに討たねばと、密命を受けた御目付たちが参勤交代の大名行列を襲うお話です。それに対して君主を守ることこそ武士の本懐と、殿を守り抜くべく周到な準備を進める。
13人はもちろん、民と世の安定を守るために命を捨てる正義の味方なのだけれど、彼らが戦う相手とて、決して悪者ではないというところがポイント。
島田(役所広司)が共に暗殺計画に携わる仲間を見つけ、策を練り、訓練に励むくだりこそ、目立って大きな立ち回りはないが、その分だけ静かに、しかし滾る闘志を感じさせる描写が多く、温度は高い。特に、島田が老中土井の命を帯びて動いていることを悟った鬼頭(市村正親)が島田の屋敷を訪ねる場面など、穏やかに過去を懐かしみ、そして秘めた想いを語っているだけなのに、ヒリヒリするような緊張感がありました。
しかし、出色は物語の中心にある松平斉韶という人物像ですね。徹底的なヒールを演じた稲垣吾郎、よく頑張りました!!
刺客側は13人もいるので、末端のキャラクターまで十分に描けていないのが残念ですが、たぶんそれをやってしまうと「七人の侍」級の長さ(上映時間207分)になってしまうから、割り切って後半の大活劇に焦点を合わせようという考え方ではなかったかと思います。それでも141分の映画です。
終盤50分程が、すべて宿場での決戦に充てられているだけに、緊迫した場面が続くと観ているほうも疲弊するが、さほどそうは感じないのは、点々と軽く盛り込まれたユーモアのお陰でしょう。
特に、伊勢谷友介演じた木賀小弥太というキャラクターと、彼のハジケっぷりがいいアクセントになっています。しかもそれと同時に、彼との対比で侍たちが意固地に守り続ける価値観の滑稽さと哀しさとを浮き彫りする脚本の上手さ。
「斬って斬って斬りまくれ!!」「拙者、この太平の世に侍として、よき死に場所を探し続けておりました」「俺の背後に抜けた者を斬れ。一人残らずだ」等々、名セリフの数々は心に残るし、前述の島田の屋敷での役所広司と市村正親の一連のやり取りや松本幸四郎の男の意地の表現など、それだけで金を払ってもいいと思える見せ場も数多い。