There Are Many of Us
ウォッカのメーカー、アブソルートの委嘱でスパイク・ジョーンズが作った30分の短編。これが近未来?のLAを舞台にしたロボット純愛もので、最高に泣けます。ロボットの造形よし、LAの風景よし、もちろん音楽よし。美しい主題歌の"There are many of us"を歌うAska Matusmiyaは日本人? 日系人? 中で演奏シーンもありますが、ここのシーンも本当にキュート! この商品、DVD(リージョンフリー&メイキング、英語字幕、5.1ch音声つき)、サントラCD、そしてメイキング本がセットになっていて、しかも3000円しない(このレビュー執筆現在)! 「かいじゅうたちのいるところ」に涙した人なら絶対に買い! そんなにセリフに依存した演出じゃないので、英語が分からないからって尻込みしたら絶対損です。一生つきあえる一本。
DIRECTORS LABEL ミシェル・ゴンドリー BEST SELECTION [DVD]
ミシェル・ゴンドリーは子供みたいな無限大の想像力を持った人だ。
想像力豊かな人はたくさんいても、空想や自分の見た夢など頭の中にあるものを映像化する術を知っている人は、そうそういない。
この作品集を見ていると彼の頭の中を覗いているような気分になってくる。
それは凡人には考えも及ばない世界だ。
一連のビョークのプロモを始めとする、寓話のような世界観の作品もあるが
彼自身もバンドでドラムを叩いていたせいか、ビートとリズムを前面に押し出した作品が多い。
本人が耳の聞こえない人に音を見せているみたいと説明しているダフト・パンクの「Around the world」
一見見過ごしてしまいそうな車窓風景の中に、楽譜を映像化したような緻密なビートを織り込んだケミカルブラザーズの「Star guitar」
万華鏡のようにくるくると次のシーンへシンクロするケミカルブラザーズの「Let forever be」
だまし絵のようにカイリー・ミノーグが次々現れる「Come into my world」などなど、どの作品もまた見たい!と思うものばかり。
映像量もスパイク・ジョーンズとクリス・カニンガムと比べると圧倒的に多く、自伝史的なもの、家族のために作ったバースディビデオまで惜しげもなく見せてくれている。
映像と音楽に興味のある人にはぜひ見て欲しい。
SWITCH vol.27 No.12(スイッチ2009年12月号)特集:永遠のこども[尾田栄一郎×桜井和寿]
ワンピースの原作者尾田と映画版の主題歌を担当することになったミスチルの桜井。両ビッグネームの対談は読むだけの価値あり。
かいじゅうたちのいるところ [DVD]
結局来日公演は実現しなかったヴァイオリン奏者2人(キーボードも兼任)を含む編成でのライブの映像です。2007年のライブなのでもう少し早くDVD化しても良かったのでは?と思ってしまいましたが、質/量ともに文句無しの完成度です。
以前にリリースされたロンドン公演のDVDと比較すると、メンツ的にはビリー・シーンやトニー・マカパインがいないことを残念に思われる方もいるかもしれませんが、(ヴァイ・バンドに参加している時点で当然だとは思いますが)実際には全く遜色はありません。
ヴァイオリン奏者が参加することで新たな息吹が吹き込まれ、よりカラフルになりつつも、ヴァイ・ミュージックの根源は全く変わることがない様はある意味呆れてしまいますし、むしろ最初からこうだったっけ?と錯覚してしまうほどです。
とは言えども、やはりステージ・アピアランス的にヴァイオリン×2は華やかだし、一人は女性奏者であるという点もより一層華を添えています。まさに映像作品に残すのに最適といったところでしょうか。
ロンドン公演の映像は、演奏はともかく、やたら手元に寄った映像が多い等カメラワークにやや難があったと思われた方も少なくないと思いますが、今回はその辺りも大きく改善されていると思います。ヴァイならではの映像的演出もありますが、これは見てのお楽しみという感じですかね。
ヴァイ自身は7曲目にバラードを配置するのを避けたことを悔いているようではありますが、選曲もロンドン公演のものとの重複も少ないですし、そちらのDVDを持っている方にも、そうでない方にも、非常にお勧めできる内容です。
非常に計算され、洗練されているにも関わらず、ロックスピリットも忘れないヴァイ・ミュージックを堪能して下さい!祈・来日!!
DIRECTORS LABEL スパイク・ジョーンズ BEST SELECTION [DVD]
マルコビッチの穴でおなじみ、スパイク・ジョーンズのクリップ集。他のディレクターズレーベルのものと違って、少しストーリー仕立てのものが多い感じ。なので、他の2作と比べるとすこーしだけ見劣りする作りとなっています。
でもそこはスパイクジョーンズ。いくつかやっぱりステキすぎて汁が出そうになるものももちろんあります。中でも一番好きなのはfatboy slimの"Weapon of choice"。面白い。クリストファー・ウォーケンが一心不乱に踊るだけのクリップですが、カッコよすぎる。めちゃめちゃ踊りうまいし。
関係ないですが、この間ツタヤで借りた"Catch me if you can"でもクリストファー・ウォーケンは踊りまくってました。