Super Best Of Yumi Arai
正直、私はリアルタイムで荒井由美は知らない世代です。
でも、今聞いても名曲だなぁと感じます。
まず、メロディが21世紀でも色褪せていない!
また、少し理屈っぽいことをいいますと、詞を聞くとその情景を思い浮かべることができるところが他のシンガーの曲との大きな違いだと思います。最近、詞を聞いても意味不明、ないしは単に語呂のいい単語を置いているだけか?と思える曲が多いなか、荒井由美時代のユーミンのスゴさを感じます。
しかも、現実的な情景ではなく、ロマンチックな情景が目の前に広がる・・・。
「海をみていた午後」などはその代表でしょ。
荒井由美は偉大です・・・。
女ぎらい――ニッポンのミソジニー
以前から、大抵の男性は、女嫌いなんじゃないか、と、うすうす思っていた。
会社の男性達は、できれば男ばかりでやりたいんだろうなあと折に触れ思わされること。
いい年のオジサマ達でさえ男同士、しかもなるべく同質な属性の仲間でいるとき
少女のようにのぼせた顔でキャッキャはしゃいでいること。
男性の友人が結婚して妻子持ちになると、急にエスタブリッシュになってしまうこと。
「世の馬鹿な女ども」を罵るネット上の呪詛。
なぜ男性は女を馬鹿にしつつ、女と付き合ったり結婚したりするんだろう?
女性たちはそんな現実をどう思ってるの?
「ホモソーシャルはミソジニーによって成り立ち、ホモフォビアによって維持される」
この公式で、もやもやが整理された。
男達の連帯は、男ではないもの(女子供と同性愛者)を差別し排除することで成立する。
男は男社会の中で承認されるための要件として少なくともひとりの女を所有する必要があるのだ、と。
たちの悪いことに、ミソジニーは女性の中にも内包されていて、これがまたしんどい。
でもこれを突き詰めて考えるのは実に恐ろしいことだ。
父母や夫、子供、友人。もちろん自分自身。
身近な存在の中のミソジニーを認識するのはつらい。気づかないふりをして逃げてしまいたい。
でももやもやに気づいたからには、考えずには居られない。
女性ももちろんだけど、男性にもぜひ読んでほしい。誰にとってもひとごとではないと思う。
Neue Musik
松任谷由実時代のベスト・アルバムとも言えるこの『Neue Musik』に収録されている「守ってあげたい」「恋人がサンタクロース」「時をかける少女」「DESTINEY」「埠頭を渡る風」「リフレインが叫んでる」「青いエアメイル」「春よ,来い」の曲を聴いていますと、リアルタイムで聴いてきた当時の思い出まで蘇ってきます。今聴いても、新鮮なサウンドと印象的な歌詞を持つ音楽の玉手箱のようなアルバムです。
ユーミンの音楽自体は完成度の高いもので、今なお新鮮な響きを感じ取れるものばかりです。曲の水準は相当高く、時代をリードしていたのは間違いありません。目の前に情景がくっきりと浮かび上がるような視覚に訴える歌詞は秀逸で、印象的で感傷的なフレーズを持ったメロディの素晴らしさは、他のアーティストの追従を許さない完成度を誇っていました。
ユーミンの音楽の特徴は、時代の空気を感じ、新しい流行を作り出していくエネルギーを持っていたところだと思います。
音楽がファッションになり、ライフスタイルにしていった偉大なコンポーザーだという評価も当てはまると思います。
彼女は松任谷由実として、日本の音楽の頂点に今なお君臨し、燦然とした輝きは衰えることをしりません。J-POPの中で彼女ほど長い年月、多くの人から愛され続けている人もいないと思います。
WINGS OF LIGHT [DVD]
松任谷由実さんの作品で最初に買うDVDはこれをお勧めします。
これはライブビデオというより、ライブの素材を昇華した映像作品です。
ライブそのものの演出もシンプルにして狙いをまったく外さない出来です。
その演出を綿密に計画した撮影で撮りきった作品といえます。
特に「ダイアモンドダストが消えぬまに」の演出と映像は、作品のイメージはこれだったのかと、深い印象を与えてくれました。
「時のないホテル」は、会場では恐らく味わえないスリリングな映像でカメラフレームに切取られています。
「守ってあげたい」の客席との一体感はジンときます。本当のプロが綿密に計画した映像は、まるでそれがハプニングであるかのように心に訴えるものなのですね。