罪と罰 (上巻) (新潮文庫)
ドストエフスキーの初期の作品。全作品中、最も分かりやすく、読みやすい。そのため、ドストエフスキーって何と思う人は、この作品を最初に手に取るだろう。作品の内容は、刑事コロンボのような構成を取っている。まず、最初に、主人公の紹介が行われ、その心理が説明され、犯罪が行われる。その後、犯罪者となった主人公の心理的変化や行動が微細に描かれる。その中でも、担当刑事に追い詰められていく様子は、最も興味深い。最終場面も、他に類を見ない独特の結論である。
読者は、この小説で、ドストエフスキーって、面白いなと思い、次の小説に手を伸ばすだろう。そのとき、次に書かれた作品ではなく、彼の最後の作品である「カラマーゾフの兄弟」をお勧めしたい。この作品もまた、父親殺しの真犯人は誰かが主題となっている、面白い作品だからだ。
マリンバ「絶驚」 [DVD]
宅間久善さんは、さだまさしさんの後ろで、マリンバを始め、いろんな楽器を操っている人。さだまさしさんのコンサートでは、さだまさしさんがしゃべっている間はご本人を、唄っている間は宅間さんを見ている、という人は、わたしだけではないはず(笑)。
このDVDは、そんな宅間久善さんの、ソロコンサートを録画したもの。プロのマリンバ/ヴィブラフォン奏者に成長した二人のご子息(宅間善之さんと宅間政彰さん)を従えた演奏は、音も見た目もすばらしい。こんなライブができるのは、世界中でも宅間ファミリーだけと信ずるものです。
ペンギンきょうだい れっしゃのたび
2歳の本&電車好きの息子のために購入。
字数が少ないので、飽きずに見れますし、就寝前に読むのにもコッチらもしんどくないです。
お弁当を買うシーンや、乗り遅れそうなお客さんなど、細かく描かれており、勝手にお話を作ったりして楽しんでます。
悪名の棺―笹川良一伝
「人類みな兄弟」。自分が子供のころ、CMでよく目にしました。
そのCMで老母をおぶっていたのが、笹川良一氏。
当時はモーターボート界の大物というぐらいの認識でした。
この本は笹川氏の伝記で、分量は415ページ、八章構成で所要4時間程度です。
内容は、氏の出自から没するまでをつづったものです。
随所に親族へのインタビューや関係者からの手紙が挿入されています。
それらによる氏の破天荒な人生、特に非常に好色家だったことと
福祉事業に莫大な財産を投じたことは興味深かったですが、
少し期待外れでもありました。タイトルから想像されるほど
大悪人ではなかったからかもしれません。
それでも、これだけ人生を女性と福祉に費やした人はいないと思います。
晩年の90代までそれを貫けたのは、頑固というより執念でしょうか。
彼には、偉人というより怪人という表現がふさわしいかもしれません。
彼を知る伝記としておすすめですが、読みづらい文章なのが難点だと思います。