神との対話―宇宙をみつける自分をみつける (サンマーク文庫―エヴァ・シリーズ)
本のタイトルどおり、神様との筆者との質疑応答が書かれている。タイトルを読んだだけでなんとなく敬遠したい気分になったが、やはり、「神」とはどんなものか、嘘なら嘘でどんな風に描写するのかずっと気になっていた。宗教にはまるのもなんとなくイヤだったので初めから没頭せずに、寝る前にパラパラと頁をめくって開いたところを読む、という方法で読んでみた。頭では「そういう考えをすればいいのか」とか「なるほど」と思うことが多く書かれていて、そのうち、神様が答えている言葉が心に残るようになっていった。「良い悪いを決めているのはあなた方だ」という答えが胸に刺さった。良い悪い、正しい、間違っていると判断を下すことは自分の幅も削っていることを痛烈に感じさせる。物事の受け止め方や、見解を大きく捕らえることを教えてくれる。なかなかすごい本だ。読んでいくうちに、大丈夫なんだ、と安心するようになって、なんだか楽になる、そんな力のある1冊。
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? [DVD]
この映画を見ているとなぜか「あーそんなことあったあった」と懐かしい気持ちになります。もちろん主人公とまったく同じ体験をしたわけではないけど放課後にプールではしゃぐシーンや花火大会のシーンなんかは誰もが通ってきた道なんではないでしょうか。そして何よりもなずなとの恋。誰もが思いを寄せてるなずなのような存在がいたと思います。そして小学生の恋なんてたいてい叶うことはなくはかなく消えていって青春の1ページに刻まれます。この映画での夜のプールでの主人公となずなとのシーンは必見です。自分のエピソードを思い出しながら見てみてください。タイミングよく流れる「Forever Friends」が切なさを増してくれます。
月刊奥菜恵FINAL (SHINCHO MOOK 110)
この写真集は 写真集というよりも美術書と呼ぶほうがふさわしいと思いました。
表情、レイアウト、光と影、色使い・・・すべてが完璧なアートです。
是非 女性の方にお勧めします。
この写真集を創られた奥菜さん、蜷川さん有り難うございました。
ビギナー 完全版 DVD-BOX
法律関係のドラマは最近は沢山世に出ていて、どれも独特の面白さを持っている期待値の高いジャンルである(と個人的には感じている)訳ですが、その中でもドラマらしくないドラマで、且つ法律的な面白さと物語の面白さの両面を兼ね備えた傑作がこの『ビギナー』です。月9の主演に新人起用という異例さで放送前から話題には挙がっていましたが、変にイメージの定着していないミムラさんの新鮮な演技が他の役者さん達の雰囲気と凄くよく噛み合って楽しめました。法律の世界というと何かと陰の部分も多そうですが、それらに屈せず弱小な存在ながら正義を問う彼等の姿勢は非常に好感を持てました。
演技・物語・トピックともに充実していて、何度見ても楽しめます。大きな笑いがあるという訳でもありませんし、推理ドラマみたく劇的な展開で犯人が明らかになる訳でもありません。況して、講義室という狭い部屋の中で淡々とドラマが進んでいく場面が多いので、ちょっと聞いただけでは単調限りないドラマに聞こえるかも知れませんが、寧ろ"講義室の中で問える正義"こそが本作品の大きな主題の様な気がします。たいそうな肩書きでもなく、かといって一般人とも少し違う、司法修習生という特別な立場の人たちの心境や現状を上手く描いてくれました。全く縁の無い世界なのに、"自分も法律を勉強してみようかな"と興味を抱かせてくれるピュアな作品です。