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戦艦大和ノ最期 (講談社文芸文庫)
これを読んで、遊んでいるわが身を反省しました。読むとすぐに本の世界に入り、乗務員の苦悩、これから死ぬ者の精神状態、そしてその場の空気が胸につたわってくる文体・・・。読めば、ますます、呑気に生きるわが身を反省する思いです。
この本を「反戦」「軍国」と考えると、この悲劇を誤認します。この本を失われた者に対する敬意、戦争の本質、として私は考えたいと思います。
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日本一メルセデス・ベンツを売る男―ザ・トップセールス 吉田満の販売術
Amazonで色々調べて、レビューも見て、結局本屋で買って一日で読んだ。ノーネクタイで、ひげ面で、それで仕事を猛烈にして日本一のベンツ販売。やっぱりすごいのではないでしょうか?特に印象に残ったのは、携帯は24時間オープン。Sクラスでも、Cクラスでもサービスは同様に、ということ。なかなか、できないと思う。自分自身もフルコミッションのセールスの世界に生きているなかで、参考になる点が、多々あった。
それにしても、腹が立ったのは、この本のレビューを書いていた、Blantyreとかいう人。海外生活が長いとのことだが、多分、海外生活も、海外に行ったこともない人と思う。アメリカでは、ベンツは中国人の成金車とか、書いているが、アメリカでも、ベンツは成功のステイタスの一つ。中国人の成金車なんて思っているのは、この御仁のような人だけでしょう。どっかの週刊誌でも読んだの?
わたしも、海外生活が長かったが、日本人のことを、幼稚で、大人になりきれない、本物を見る目がない、とは思ったことも無い。多分、この御仁が付き合っている人が、こんな人ばかりなのでしょう。
皆さん、レビューで悪口ばかり書く人は、信用しないように。
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真夏のオリオン [DVD]
実話をもとにして作られた作品です。玉木宏が演じる
倉本艦長やその仲間たちが生きる希望をもって戦って
いるシーンは感動したし、スチュワート艦長が指揮する
パーシバルとの天才同士の激戦は見応えあって戦闘シーン
も意外と迫力ありました。
「俺たちは死ぬために戦っているんじゃない。生きるために
戦っているんだ。」この映画の名ゼリフです。
最近見た<ローレライ>と<出口のない海>のあまりの
つまらなさに不満を抱いていましたが、この映画に救われ
ました。
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真夏のオリオン [Blu-ray]
戦争を体験していないで戦争映画を評価するのはおこがましい。
悲惨さを描けば納得するのも変だ。
激しい戦闘を描かなければ戦争映画ではないのか?
当時は全国民が戦争に巻き込まれていた。
一人ひとりに物語がある。
どんなに本を読んで調べても知りうることは一人の体験者を風がかすめた程度でしょう。
この作品はこれまで描かれたことのない実在した艦長がモデルになっています。
生きるために戦った戦士。どのように戦ったのか、どうしても観て見たかった。
それともう一つ。
出演する女優がたった一人ということ。
戦場で愛する人を想い必死に戦う兵士たち。その心情を
家族や恋人との絆を、たった一人でどう表現するのか?
戦場が海で、潜水艦乗りなので殆んど海中での頭脳戦です。
何しろ日本軍には残された武器もわずか。
無駄にせぬよう戦う勇士たち。
艦長が恋人を回想するシーンが艦長の人物像を浮き立たせる。
恋人がスクリーンに映る時間はわずかながら、鮮明に残るその存在感は
一人でも充分に際立っている。天晴れ!です。
このような上官が実在したことが何より救いでした。
そして、戦争は悲惨だった、間違いだったと否定しているだけでは
何の教訓にもなっていないのではないか?と思い至り、
今後の戦争映画の方向性を見た気がした。
戦争映画を観て救われたのは初めてです。
このような作品を待っていたのだと気づかされました。
何度も繰り返し観てしまう。
戦争を体験していないけど、他人事ではない方には必見です。
重荷が少し楽になりますよ。
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東京原発 [DVD]
簡単に言うと、脱原発プロパガンダ映画です。しかし、プロパガンダですませることができないような魅力ある映画でもあります。全編にちりばめられたブラック・ユーモア、ベテラン俳優の起用、きっちり調べあげられた原発に関する事象、救いのないラストも、筒井康隆や「笑うせぇるすまん」が好きな方はにやりとすると思います。軟派な社会派とでもいうべき名作です。