内需衰退 百貨店、総合スーパー、ファミレスが日本から消え去る日
テーマとしては面白かったです。
経済週刊誌でも度々特集号でテーマとされる、百貨店消滅、小売業界のピンチが、よく取材されています。
元々それらのテーマに関心があって、東洋経済などを読んできた人にとって、基本的に大きな驚きまではなく、新書に向いている内容やボリュームだけに、やや1400円の単行本という事に「割高感」を感じてしまっている自分は、
既に、「新・下流層」サラリーマンのニューノーマルな感覚なのかなぁーと、
皮肉じゃなく思ってしまいました。
(表紙のデザインやつくりも、安っぽく、ペーパーバック的な印象が強いせいでしょうか?)
さて、ユニクロについての評価は、意見が分かれる感想をもっていますが、
このデパート業界そのものが沈没する、消滅するカウントダウンに入っているのは、地方で暮らしていると、実感します。
県内のデパートは、この数年に撤退し、
観光の目玉とされているショッピングセンターも、平日はガラガラ…。
郊外の大型ショッピング・モールも、もう何らかの限界が来ているのはよく実感できるし共感できるところでした。
しかし、驚きなのは大阪や東京の、時代の流れを無視したかのようなデパートの増床&増改築、駅前の出店競争。
ここまで最後の「バブル」のような大型開発をして、それが破綻した時に、地域経済に打撃を与える形で巻き込まないでいてくればいいのですが…。
東京はまだしも、大阪でこれをやるのは、狂気の沙汰のようにも感じられました。
小売流通、GMSの現状を一気に把握したいビジネスマンにはお薦めです。
この本を読んで、客観的に自分の自治体の町でのビジネスをどうしてゆくべきか?考えるキッカケにしたいところです。
ブラックマネー―「20兆円闇経済」が日本を蝕む (新潮文庫)
本書は5章から成っている。
第1章は「ヤクザマネーの奔流」。暴対法によって、暴力団の活動がつかみにくくなっており、表の経済と裏の経済の見分けがつきにくくなっている状況を記述している。
そして、第2章から第5章は、(a) バブル期を彷彿とさせる不動産地上げ、(b) 新興株式市場を食い物にする手法、(c) みずほ銀行、新銀行東京など金融機関から融資を引き出すさま、(d) 外資銀行によるマネー・ロンダリング、など、さまざまな実際にあった事件や手法を、わりあいわかりやすく丹念に解説しています。
本書で扱われている事件は、ライブドア事件やスルガ・コーポレーション事件など有名な事件から、あまり知られていない小さな事例まで、なかなかバラエティーに富んでおり、興味深く読ませます。
そして、さまざまな事件に闇勢力がどんなふうにかかわっているかがわかり、「表経済の活動に表裏一体で裏世界が活動している」ということが実感を持って感じられます。
内容が複雑で込み入った事件もあり、ややわかりにくい部分もあるかもしれませんが、ていねいに書かれた労作であり、参考になる部分が多いと思います。読む価値のある本と思います。
日本最後のスパイからの遺言
さまざまな事件や時事問題について、「実はこうだったんだよ」という興味深い裏話がたくさん載っていて有用。本書は主に過去と現在の分析を扱っているが、今後の指針などについてのコメントもこの対談二者にぜひもっと聞いてみたい。