十二人の怒れる男 [DVD]
やっぱり何度見ても面白いですね。会話劇として、裁判劇として、またリアルタイムで繰り広げられる映画として、屈指の出来。
もう少ししたら、陪審制ならぬ裁判員制度が始まってしまいます。不幸にも裁判員に選ばれた人はこの作品を絶対に見直して欲しいんです。リーガルマインドも持たず、裁判員の偏見と人間観で以って人を裁くなど、人民裁判に近いものになってしまうと思うから。判決が一般的・倫理的価値観とずれてしまうことが最近多いですが、それは法曹に責任があると言うよりかは、法そのものが時代の要請に応えていないことに原因があるんじゃないかと思います。
12人の陪審員が一室に会し、少年の殺人について有罪か無罪か判決を考えます。と言うよりかは、誰もがそこでは考えることなしに少年が有罪だと確信していました、ヘンリー・フォンダ扮する8番を除いては。陪審員の判決は全会一致が必須です。「空気読めよ」と言わんばかりの11人に対し、彼は裁判で抱いた疑問を話し始めます。そして、部屋に入ってから12人の意見が一致するまで、物語はこの部屋とトイレだけで語られ、かつリアルタイムで展開されています。つまり空間の限定が、時間の連続性を与えているという、極めて演劇的な手法が用いられているわけです。
「少年はもしかしたら有罪かもしれない、ただ確かな疑問がここにある。だから有罪にすることはできない」
このセリフには「疑わしきは罰せず」という法の大前提があります。そして、それを守り抜くことがどれだけ困難か。特に日和見主義を愛する日本人が、今後人を裁くことなどできるんでしょうか。
TWELVE ANGRY MEN 十二人の怒れる男たち
アメリカ法廷映画史上の最高傑作であることは間違いない!
それよりも特筆すべきは、古い作品にもかかわらず現代社会の病理がそのまま存在している
アメリカ社会の凄さであり、将来的な危惧としての制作陪審員制度に対する問題提起の側面や、
人道や人権という言葉から発せられる誤ったヒューマニズムの脅威という、現代社会において
日常的な問題が随所に盛り込まれている素晴らしい作品であるといえる。
十二人の怒れる男
アメリカ法廷映画史上の最高傑作であることは間違いない!
それよりも特筆すべきは、古い作品にもかかわらず現代社会の病理がそのまま存在している
アメリカ社会の凄さであり、将来的な危惧としての制作陪審員制度に対する問題提起の側面や、
人道や人権という言葉から発せられる誤ったヒューマニズムの脅威という、現代社会において
日常的な問題が随所に盛り込まれている素晴らしい作品であるといえる。
12人の優しい日本人 [DVD]
名作「12人の怒れる男」のパロディー。日本にはない架空の陪審員制度があれば、という設定で作られた作品。映画は、殺風景な陪審員室に12人の陪審員が集まってくるところから始まり、評決が出て12人が退場していくまで、ほとんどのシーンが1つの部屋で話が進む。それで全く退屈に感じないのは、三谷幸喜脚本のすばらしさと12人それぞれの役者のウマさを感じる。
ほどよく笑えて、後味もよい良質のコメディーです。