果てしなく美しい日本 (講談社学術文庫)
言い方が悪くて恐縮ですが、そんじょそこらの日本人より日本を愛しておられ、日本のことを知っておられる。それがドナルド・キーン氏です。三章立てになっていますが、一章は単行本を文庫化したものです。二章、三章は講演録とその原稿になっています。なので個人的には二、三章の方がかなり読みやすかったです。日本人ならなかなか気づかない、あるいは気づけないところからのアプローチも多く、素直に読めます。日本を愛するといっても、親ばか的な愛しかたではなく、優しさと厳しさをもった愛しかたという感じをもちます。そして、そこになおさら好感と信頼がおける一冊だと思います。
日本人と日本文化 (中公文庫)
日本を語った対談の本。司馬遼太郎は司馬史観で有名な作家で、キーンは日本文化の研究者です。
彼らの意見は容易には合致しない。司馬史観は、どこかしら日本的ではなくそれだからこそキーンさんに反論の余地を与えている。
一方キーンさんの意見も単独ではやや味気ない。
二人が意見を戦わせるところに面白さがあるのだと思います。
猛烈なスピードで一読、その後に再読してしみじみとした味わいをかんじることの出来る本でした。
対訳 21世紀に生きる君たちへ
司馬さんは晩年、「日本はダメになる」と言いつづけ、強い危機感を抱かれていたようですが、本書からつたわってくるものは、希望です。 翻訳者ドナルド・キーン氏は、司馬さんと対談し、個人的にも親交を結んでいた日本学の泰斗です。