私は、産みたい
国会議員 野田聖子の不妊治療-8回に渡る体外受精への挑戦、妊娠、流産に至るまでの過程を赤裸々に綴った本。売名行為といえばそれまでだが、世間体や口さがない世間のうわさ、批判、すべてを覚悟し、それでも綴らずにはいられなかった魂の叫び、心の葛藤、奇跡が紙面に満ちあふれている。
生まれた命を世に送り出せなかった自分自身のために、そしてすべての女性、子供を持ちたいと切望しているカップルのために、綴られた勇気ある告白を高く評価すると共に、彼女に念願の宝物が授かることを心より願う。
不器用
私は生みたい を読んだ時には、かなり印象が強かった。
この本は、それに比べるとインパクト不足は否めない。一つには、書かれている内容が、自分の生い立ちから、議員として当選したこと、政治家・大臣という職業、恋愛観、結婚、妊娠への思い、郵政選挙での勝利と「刺客」との関係、など多岐にわたっており、ポイントが絞りにくいことが原因である。
でも、女性議員としての思いや、若くして売れてしまった後の複雑な事情など、興味を引くことが多い。
実質夫婦ということで、体外受精は許されたものと思うが、その体外受精そのものが夫婦関係に与える影響についても感じることが多かった。
それと、鶴保議員のコメントがちゃんと載せられていることのポイントは高い。控え目でありながら、本の内容と少し異なる視点も含まれ、この本に奥行きを与えている。
ただ、最初にも書いたが、少し内容を絞ってもらえれば良かった。少なくとも、結婚以降に絞っただけでかなり印象が異なったのではないだろうか。
「私は、生みたい」の続編と思うとかなり印象が異なる。くれぐれも、注意されたい。