スタッフ!!
元々ニューヨーク・コロンバスにあったミケルズというライヴハウスで「まあ、時間があったらセッションに顔出せよ」的なアバウトな感じで、これといってメンバーを固定せずに夜毎繰り広げられたセッションが後にstuffとして知れ渡ることになるわけだ。モントルージャズフェスティバルで衝撃的なお披露目をした彼らはstuff名義で3度ほど来日している。最初は晴海で行われたローリングココナッツレヴューだったと記憶しているが、この時のメンバーにはガッドとゲイルが含まれていない。が、この時に会場にいた幸運な人たちは有名でなかったスタッフの演奏を目の当たりにしているわけだ。何も知らない人たちがエドワーズのベースにあわせ、体を揺らしていた光景は忘れられない。その後、6人全員での日本ツアーをして、日本中を震撼させた。
エドワーズの合図ひとつで延々と演奏が続けられていく。
残念ながら、フルメンバーの来日がこれが最後になってしまう。
翌年のツアーではクリスが来日しなかった。(ライブ盤が残っている。)
又、ジャズフェスティバルにスタッフ名義で出演した記憶はあるが、オリジナルスタッフとは言えないメンバー構成でこれをstuffであるといは言いがたいものであった。
本来ライブバンドであるスタッフのデヴューが本作。
大人が演るには他愛ないような内容の曲を淡々と演奏し、高めていってしまう技量と魂に脱帽。
音楽ファンなら一家に1枚は揃えておきたい作品。
必ずや愛聴盤になることでしょう。
ティージン
コーネルディープリーの代表作と思いますが、ギタープレイはスタッフの曲よりブルースぽくアップテンポのものがなかったので残念。また、泣けるリードギターもないがじみウマで聞けば聞くほど好きになる。
エンド・オブ・ア・レインボー
一曲目の“Say You Love Me”は隠れた名曲といえるのではないでしょうか。自然な旋律、必要最低限なアレンジ、当時誰かのカバーかと思いきやパティ・オースチン自らが作曲したものとわかり驚いた記憶があります。
また、ここでのデヴィッド・マシューズのアレンジはかなり控えめな印象を受けます。所々彼らしいアレンジが見受けられますが、全般的に無駄なソロもありませんし、ヴォーカルをフューチャーしたアルバムだから当然なのかもしれませんね。 スタッフのメンバーが多く参加しているせいもあり、なんだか「スタッフ+パティ」という感じがします。
次作のデイヴ・グルーシン編曲による“ハバナ・キャンディ”と聞き比べてみるのもおもしろいと思います。