八つ墓村 [DVD]
この映画作品の勇気あるところは、「祟り伝説を利用した連続殺人事件」であったという原作のプロットを、「本当の祟り」へと変更したことでしょう。
この作品の原作はとてつもなく膨大で登場人物も多く、おまけにトリックの複雑怪奇さは他作品の比ではありません。
その証拠に、「八つ墓村」は横溝作品として最も多く映像化された作品ですが、そのどれもがかなりの省略・簡素化をやむなくされています。
この巨大な原作の映像化として野村監督が出した答えは、原作の内容をはしょってまで忠実に描くよりも、思い切って犯人が隠れ蓑に使った「八つ墓の祟り伝説」を主題にしてしまうことでした。
この改変は、原作と映画作品の関係の、一つの見本かも知れません。
忠実に映像化することも正論であり、この作品のように、独自のアプローチで迫ることもまた正論でしょう。
原作では何十ページにも及んで描かれたクライマックスの金田一による謎解きは、圧倒的なカタルシスを読者に与えますし、本作の最も痛快で面白い部分なのですが、この映画はそれを全く描かないという、思い切った判断をしています。
そしてその代わりに据えられた、鍾乳洞内の圧倒的な恐怖。
恐怖映画としてのスタイルを貫いた結末に、こういう映画の作り方もあるということを教えられた思いがしました。
もっとも、この映画を見て「八つ墓村とはこのような物語なのか」と誤解されてしまうこともまた歯がゆいので、是非原作も併せてお楽しみいただきたいです。
プロダクトデザイン 商品開発に関わるすべての人へ
プロダクトデザインの全体感を把握するには適した一冊だと思います。
ただ知識としての情報を得るという意味では良いのですが・・・。デザインの価値に対する気づきにつながるコンテンツが欲しい気がしました。
なぜ日本のユーザーはデザインに対する要求が高くないのか?欧米、アジアと比べてどうか??日本のマーケットに慣れ親しんでしまった技術者、デザイナーに気づきを与えるために、未来の製品開発におけるデザインの重要性についてもっともっと伝えて欲しいと思いました。
赤い指 [DVD]
「新参者」のDVDを持っています。 できれば「赤い指」とそろえて買ってほしいです。 私は東野圭吾さんの両作品を読みました。 たいてい原作を読んでしまうとガッカリさせられるのですが、良い意味で裏切られました。 テレビシリーズはキャストや演出がすばらしくて感動しました。 製作スタッフの方々は東野さんの熱烈な愛読者なのでは?と思うシーンがたくさんありました。そのくらい情熱が伝わってきました。年月を経ても色あせない作品だと思いますのでおすすめです。
おくりびと [DVD]
最後 主人公の父親が30年ぶりに姿をみせる、遺体として。
私も、父親の失踪から12年、小田原の警察署内で再開した、身元確認の場で。
なにを思い、生きていたのだろう、生きてきたのだろう。
葬式にたちあい、おくる側にたつ度に それを考える。
独りで、なにが楽しみで枕元に3万円しか残さない日払い生活をおくっていたのだろう と。
家庭を、家族を、安定した稼ぎ口を すべて捨てて
どういう流れ方をして最期の地にたどりついたのだろう。
主人公の父親は 愛人をつくっていなくなった ハズが 最期の地には、ただ独り流れついた。
そこまでのその人の時間、残された主人公の時間、
なんか、いろいろ考えた。
反対していた納棺師の仕事に、子供ができて実家からもどってきた奥さん
子供のためにも仕事はかえてほしいという
そこに、親しくしている人の死
そこで目にする 厳かな「納棺の儀」
やさしく、やさしく「旅立つ」人を「おくる」その振る舞いは、お茶にもお華にも通ずる「美」がある。
最後 地元の葬儀屋?が 父親の遺体を ゾンザイに扱う様を見て 自分で納棺するから と業者をとめるのを、業者がわずらわしく思う
そこを、「夫は納棺師なんです」と声をかける
中盤 辞職を告げに社長とあう
ふぐの白子を塩焼きにして食べている
「これもご遺体」「死ぬ気がなければ食うしかない、食うなら旨い方がいい」
他にも随所の会話や、一言ひとことが こだわって織り込まれている。
私も、オヤジと会いたくない、でも出会ったらブン殴る そう思っていた。
でも、殴るにも相手が生きていてかなう事。
本木雅弘さん 東山さんと同系の「努力の人」
このような俳優が もっと もっと 見たい。
未だ失われていない美しい日本の風景の中、チェロが流れる。彼がそこで生きる、その役柄を。
まったく作風はリンクしないのに、宮崎駿さんの一連の作品が思い出される。
音楽担当が久石譲というのもあるのかなあ?