深い河 (講談社文庫)
人物描写が図式的との批判もありますが, 遠藤の生涯の宿題であった「日本人-愛-神」への
最終的な答えとなる作品です。彼が傾倒していたフランスのノーベル賞作家F.モーリヤックの影響も深く見られます。『沈黙』『死海のほとり』『哀歌』等,一連の作品で描いてきた,華々しい救世主としてのキリストではなく,旧約聖書『イザヤによる預言』にある通り,「みじめで
威厳のない」,人間の病を負ったキリストとしてイエスを見事に描いており,画期的です。神父や妻を失った夫,無神論を自負する女性などキリスト教とは無縁の世界に生きる人間と神との関わりを「愛」とはどうすることかを追求することによって描いています。遠藤の集大成ということもあり,この一冊を読んだだけでは彼独特のたとえ話にあるメッセージを見逃してしまうかもしれません。『深い河』!を読む前でも後でもいいので,彼の代表的作品群を読むことをお勧めします。一冊の中でメッセージを伝えきれない,という点では不完全な作品とも言うことができます。彼の作品のみならず,比較の対象とされ,遠藤が憧れを抱いていたグレアム・グリーンの小説も読んでみるのも一興だと思います。
ガンジス河でバタフライ ディレクターズ・カット版【2枚組】 [DVD]
インドに行ったことのある人なら、思わずうなずく場面が多々ある。空港の出口の混雑、三輪タクシー、物乞い、お世辞にも綺麗とはいえないホテル、ヤモリ等。
牛は神聖なはずなのに、外国人相手にステーキを食べさせる店があるのも事実。
列車は日本人の感覚では相当汚い。窓ガラスが汚れて、外が見えないこともある。さすがにドラマでは描かれてなかったが、列車のトイレにトイレットペーパーなどない!あるのは、計量カップのようなもの。使い方は「地球の歩き方」に載っている。これを読めば「左手で食事をする」のが、インドではいかに非常識なことかわかる。
日本国内で撮れば「アホなドラマ」でしかないが、インドで長期間ロケしたのは立派。乾期の終わりだと気温は50℃ぐらいになるしね。暑さにやられて1ヶ月もいれば、キャストもスタッフもくたくたになる。
長澤まさみが運動神経抜群だと聞いてはいたが、服を着たまま見事にバタフライするのには驚いた。演技も少々オーバーなところがかえってすがすがしい。
以下蛇足
ガンジス河ではないが、河で沐浴して数日間ホテルから出られなくなった日本人もいる!
そもそも、女性が気軽に一人旅できるところではない。安易な真似は厳禁!
BBC EARTH : ガンジス [Blu-ray]
今までの作品が自然界に重点を置いていたのに対して、今作は文化が中心となっています。
ガンジスと共に生きていく人々の文化、生活、ヒンズー教、動物たちの生態系など。
なので、映像美で圧倒してきた前作などとは違って、少し勉強しているような感じになります。
見る前は期待していなかったのですが、これはこれで目新しくて良いかなと思いました。
次の幕が始まる前の小休止という位置付けと言ってよいかと思います。
また、今作はナレーションが前回とは別の方、女性になっています。
日本語吹き替えはありませんが、個人的には特に不満は感じませんでした。
高嶋ちさ子/クロスオーバーセレクション~高嶋ちさ子が提案するヒーリングミュージック
高嶋さんのベストアルバムといった感じのCDです。同時期に発売されたクラシカル・セレクションとは対照的に、ポップスやちさ子さん自身が作曲された曲が中心になっています。どれもやさしいメロディーで、高嶋さんの奏でるヴァイオリンのメロディーに聞き惚れてしまいます。
高嶋さんの新曲「エズ」ではヴァイオリンとチェロのハーモニーがとっても綺麗。「ガンジス」などチサコバンドとのバンド演奏を聴いているとヴァイオリンはクラシックだけのものではないのだなぁと感じさせてくれます。楽曲解説も高嶋さん自身が語ってくれていて読んでいて面白いです。
おまけとして「のだめカンタービレ」の二ノ宮知子さんのミニ・マンガがあるのも楽しいです。肩の力を抜いてちさ子ワールドに浸れる、そんな一枚です。
STACKED RUBBISH
全体的に、なんだか普通です。脳味噌が叩き起こされるような心地良いアレはなくて、変わったというか、普通に堕ちた感じ。複雑ですが、みんな大人になったんでしょうか(笑)僕は、ステージでブッ壊れそうに歌って踊る彼が良かった、ですねえ。少しばかり地獄からこちらに顔を出した感じの曲達でした。