ただもう一度の夢 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
じわじわと心にしみこむような感動作でした。
心に傷を負った孤独な男女が、厳しい現実に遭遇しながら、本当の愛、癒し、家族の再生を手に入れていくお話です。
経済的貧困、亡夫の秘密、親友の裏切り、親子の葛藤など、ヒロインにさまざまな試練が襲いかかります。
でも彼女は傷つきながらも、希望をもって前向きです。
その等身大のがんばる姿に自分を重ねて、応援せずにはいられませんでした。
日常の積み重ねが大きな幸せにつながる、リアリティのある作品です。
最後は心の底から純粋な感動が湧き上がってきて、深い満足感がありました。
(読後、作者のホームページを見たら、この本は one of the Booklist Top Ten Romances of the year、RITA賞ファイナリスト作品などの賞に選ばれたと書いてありました)
追いつめられて [DVD]
「ブレード・ランナー」の憂いを帯びたアンドロイドを演じたショーン・ヤングは最高だ。リンチの大失敗作「砂の惑星」も良かった。ショーンを見るだけで救われる。ヤング・ファンなんて聞いたことないが私がそうだ。ショーンは女優さんになるまえはNYで医療事務員か看護婦さんとして病院勤務の私の大好きな?医療関係者である。この「追いつめられて」はスパイ映画で内容は書かないのがルールだがCIA用語の「モグラ」とだけ言っておこう。さて私の評価は満点だがそれはヤングのヌードがあるからにほかならない。ツンと上を向いた大きからず小さからず「芸術的」なお乳である。私の大好きな白いパンティ姿もある。共演はケビン・コスナー。ジーン・ハックマン。もう霞んでしまった。あーいい女だな。
ディケンズ短篇集 (岩波文庫 赤 228-7)
十一篇の短編集。
少し特殊な意味で、抜群の読み応えです。
それはこの短編集が、意識的に、狂気または超自然を扱った作品ばかりが収録されているからです。
すべての作品が、おどろおどろしかったり、狂気的であったり、超自然的であったり、幻想的であったりします。
「墓堀り男をさらった鬼の話」「奇妙な依頼人の話」「狂人の手記」などというタイトルだけ見ても、想像出来ると思います。
ディケンズの作品は、例えば「大いなる遺産」「二都物語」など、長編で爽快なものが多いです。
しかし、ここに収録されている短編の作品群は、趣をかなり異にしています。
これらを貫くのは、ある種の幻想性です。
「墓堀り男をさらった鬼の話」は、「クリスマスキャロル」を彷彿とさせる様な物語です。
「奇妙な依頼人の話」は、復讐に燃える男が起こした行動の数々。
「狂人の手記」は文字道理なのかどうかは不明ですが。
その他の作品にも、こういう傾向の一貫性があり、一方ではディケンズらしい面もあります。
初版発刊は1986年ですが、現在の感覚からは、訳表現に違和感を感じる面も、時にあります。
しかし、それぞれの作品を貫くエッセンスは、衝撃的でもあります。
夢中にさせられる事請け合いです。
生きる (CCCD)
KーDUB SHINEの、傑作セカンド・アルバムです。ファーストの『現在時刻』が、少し《重め》、サードの『理由』が、少し《軽め》だとすれば、このセカンドは、軽重のちょうど《ベスト・バランス》だと思います。ハードコアな厳しさと、POPな優しさが両立している所が、非常に素晴らしいです。オススメの傑作アルバムです。
(追記:Kダブの4枚目のソロ・アルバムが、来年(2010年)の1月に発売される予定です。私はもう、予約しました。)
(追記2:タイトルは、『自主規制』。何か、らしくないタイトルが、かえって逆に面白いです。)
死の接吻 [DVD]
大好きなショーン・ヤングは出演作は意外に少ない。「死の接吻」は先年亡くなったアイラ・レビンの衝撃のデビュー作の映画化。マット・ディロンがペン大(キャンディス・バーゲン、元アップルCEOジョン・スカリー、ジョブズを叩き出した人が卒業生)の学生で冷血な殺人者に扮するがいまいちインパクトに欠ける。ヤングは被害者と妹の二役でなかなかの演技者ぶりを発揮するがヌードはない。ちょっと残念。ベルイマン映画の常連・名優・マックス・フォン・シドーがヤングの父親役で画面を引き締める。ショーンの経歴は不明なとこあり看護婦さんか医療事務かはっきりしないが病院勤務は確か。MITに学んだジェイムズ・ウッズと同棲していた。二人の愛の行方は書きたくない。ヤングを傷つけるから。「ブレードランナー」の哀しいアンドロイド役の強烈なイメージから脱け出せずスランプもあるがファンとしては映画に出るだけで満足。演技派ではないが「芸術的」お乳の持ち主だ。それだけでも凄い。元医療関係者で親近感もある。だから評価は満点。