navajo trail
その卓越したギターテクニックとアレンジセンスの良さが光る天野清継久々のリーダーアルバム。
一時期の葉加瀬太郎、最近ではCOBAや川井郁子等のバックで大活躍している彼だが、何と云ってもソロ・アルバムでこそ魅力が発揮される。
今作ではジャジーなムード満点の(2)/(3)/(4)をはじめ、アップテンポなタイトルチューン(5)及び(8)、そしてアコースティックが魅力の(1)/(6)/(10)等々多才さを発揮。セルフカバーによるAZURE(2)も新たにストリングアレンジに挑戦するなど新境地を切り拓いている。
安心して身を委ね慣れるサウンド&アレンジはBGMとしても最高の1枚で大変お奨め。
渡辺香津美との共演等で今後も目が離せない存在だ。
ナバホへの旅 たましいの風景
個人的には2010年度上半期のベスト5には入る(何冊読んで?はごもっともですが)よい本でした。エッセイ、旅行記、そして少し思想書が混じったような位置づけがあいまいな内容なのでナバホや臨床心理の突っ込んだ話が出てくるわけじゃありませんので、ハードな内容を求める方には不向きですが、軽く読めるのはありがたいです。
中沢新一さんが提唱している対称性人類学というものがありますが、それに通じるような対象性(人間も自然の一部)志向を徹底した生き方とはどういったものかをナバホ族の生活を通して知ることができます。
特に印象に残ったくだりはナバホ族の人類出現神話(第5の世界とか昆虫人間とか)、ナバホネイションとUS政府との関係、儀式を指導するチーフが決まるくだり(自然にチーフになったからといって別に偉いわけではない)、故河合先生がゲド戦記(本)を激賞していること、心理療法の3特定(芸術、科学、宗教)、強力な臆病者になろう、の件など。
ネイティブアメリカンの対称性に興味がある方はまずは読みやすいこの本を読み、引用文献から知識を広げるのがよさそうに思いました。
ココペリの旅
前半は、ココペリとは?というココペリについて。
ココペリが運んできた言葉たちは、深いけど、率直でわかりやすい言葉が多いです。
私としては、それほど感銘を受けた言葉はないですが、「ふむふむ、そうだよな」という感じで、すっと体にはいってくる感覚で読めました。
後半の、1週間ココペリ旅の方が、私はおもしろく興味を持ちました。
モデルコースも乗っているので、いつか参考にして旅行したいと思います。
「こんなにのんびりと有意義に旅したいな」と思ったのが、この本を読んだ一番の感想です。
バービー ドール オブ ザ ワールド - プリンセス・オブ・ナバホ・バービー -
バービー ドール オブ ザ ワールド - プリンセスシリ-ズはそのお国の特に民族衣装や顔立ち(人種)を理解する上でとても楽しく素晴らしいシリ-ズだと思います。
ただ、衣装やヘアスタイルによっては箱から出してしまうと汚れてしまったり、崩れてしまうものもありますので箱から出さずに飾ることをお薦めいたします。そういう観点から言わせていただきますと商品の耐久性は星3つということですね。
ナバホへの旅 たましいの風景
臨床心理学者である河合隼雄氏が、アメリカ先住民であるナバホの
人たちを訪ねた時の文章を纏めたものであるが、そこは河合氏の
こと、単なる紀行文ではない。
キリスト教文化・アメリカの白人たちによる迫害の歴史の中で、
自分たちのアイデンティティーを守り、ナバホ・ネーションという
アメリカ合衆国にも認められた独立した「国」を確立している
ナバホの人々。
その人々の中心にいるメディスンマン(シャーマン)を訪ねる中で、
筆者は常に日本人の心の問題を考え続けている。
紀行文と臨床心理学的考察が、幾重にも重なり合ったような不思議な
内容となっている。
今でも西部劇にでてくる「インディアン」像を信じている人には、
アメリカ先住民と神、自然の在りようを、理解する入門書にもなる
良書であると思う。