諌早湾ムツゴロウ騒動記―二十世紀最大の環境破壊
諫早の自然を守る会の会長だった著者が、経験した事実がつづられている。
農水省幹部から、「会を解散してくれたらあなたに干拓地を無償で提供します」とか、(解散が無理なら、)「反対を唱えなければ、干拓資料館の資料代として数千万円あげます」とか、提案されたことや、
農水省がさまざまな調査データを改ざんしていた事実、「ムツゴロウさん死んでください」とネットに書き込んでいた事実、など。
ギロチンの裏に何があったのか、知ることができる貴重な記録であると思う。
ルポ 諫早の叫び よみがえる干潟ともやいの心
まず読んでください。
腹膨れる思いの残った方は、多分、正常です。
そして、何も感じないか、登場してくる漁民・農民に、何の感情も
湧かない人たちは、良心のかけらもない自分を見出すことでしょう。
この国の100年以上に亘る官尊民卑の縮図がここにあります。
官尊民卑と言うよりも、官だけが、何故、栄えるのか。
この国では、なぜ、民が育たないのか。
なぜ、小泉改革に抵抗勢力が生まれるのか迄、解かります。多分。
しかし、解かったところで、現実にこの10/3、最高裁まで追認した
官の横暴に対して何ができるのか。
腹膨れ、やりきれなさの残る幕切れでは有ります。