イグアナの娘 (PFコミックス)
母親からはイグアナにしか見えず、自分でも「本当は自分はイグアナなんだ」と思いこんでしまう娘の話。娘は終始、イグアナの姿で描かれる。
母親には、初めて生まれた女の子がイグアナにしか見えず、普通の人間に見える次女にすべての愛を注ぐ。母親が「あの子はイグアナだ」というのを漏れ聞いてしまった長女は、以後、自分がイグアナであると思いこんでしまう。結婚して母とほとんど没交渉となったイグアナが妊娠し、「牛」の夫と「イグアナ」の自分から産まれてくる子は牛かイグアナであろうと思っていると、「人間」の赤ちゃんが産まれてきたのでとまどってしまう。そんな時に、母親の訃報が入る。遺体の顔を覆う白布を外すと母の顔はまぎれもないイグアナであり、涙一つ見せないだろうと思っていたの!に、途端に涙が噴き出て自分なりに母親の心境を思う。
私もイグアナだ。背が高く、プロポーションが良く、皆から好かれ、おしゃれだった母親は、なぜ自分の娘が背が低く、プロポーションも悪く、おしゃれ心がなく、愛想も悪く、目立ちたがり屋で自己主張が強いのかが理解できなかったのだろう。母の関心は常に自分似の兄貴にあった。
母娘の相克とその和解。最後に救いのあるテーマだ。
イグアナの娘 1 The Daugther of IGUANA [DVD]
エルトン・ジョンのエンディングは聴けるのだろうか?著作権上の問題があってVHSではインストゥルメンタルだったとも聞く。
原作漫画は他愛の無い短編で、これを連ドラ化しようと思った意図も分からないけど、とてもいいドラマです。イグアナの出し方がさり気ない演出も素晴らしい。
イグアナの娘 オリジナル・サウンドトラック
主人公の気持に寄り添うような曲の数々、
ドラマの内容もさることながら、
その曲の個性にとても惹かれました。
参考までにドラマのほうは1996年にTV朝日で
菅野美穂主演で放送されました。
自分の顔がイグアナにしか見えないという衝撃的な少女の話なのですが、
原作が哲学的な萩尾望都ですので一筋縄ではいきません。
短編マンガを11回にデコレーションした脚本(ちゅらさんの岡田氏)も
とてもよかったですね。
何年か前にDVDも出たようなので
泣きたい気分の方は
鼻水&涙対策を整えてから見てみるといいかも・・・泣くよ。絶対!!!
イグアナの娘 (小学館文庫)
天才を定義すると、常人には及びもつかないことをできる人だと思っている。
(ただし、常人が憧れる方向に限る)
この萩尾さんが、その天才の1人で。
ぼくはそもそも少女漫画を読まないのだけれど、なんでこのイグアナの娘に肩入れするかというと、
それはテレビ朝日のドラマ「イグアナの娘」に惚れ込んだから。
だから、どうしても原作を確かめてみたく、読んでみたというわけだ。
ドラマは3カ月の連続ドラマだったけど、原作は50ページほどの短編。
その短編に、見事に凝縮された、人の気持ちが激しい勢いでぼくの心をノックするのだ。
いったい、他人の中に自分とそっくりの部分を見つけたら、人はどんな反応をするのか。
なぜ、そっくりの部分に気づいたのか。
そっくりの部分は自分にとってどんな価値があるのか。
自分を見つめ直すには、なまなかにはできないことだ。客観的になるのもやっかいだし、評価もしづらい。
何より、自分と直面することは照れくさい。
この「イグアナの娘」の主人公は、青島リカではない。その母である、青島ゆりこなのだ。
リカの苦しみと努力は、青島ゆりこの投影だ。
そして、それは、読み手である、僕たちへの問いかけでもあるのだ。
さあ、ぼくの心の中にいるイグアナはどんなのだろう。いつか気づくことができるのだろうか?
そんな風なことをいろいろ考えさせられるのだった。
ドラマチック デイズ ベスト・オブ・TVドラマ
今までに放送されたテレビ番組の主題歌に使用された名曲を集めたコンピレーションアルバムです。この2枚組の全36曲は、ドラマの主題歌というくくりだけではなく、世界の人々に愛され続けてきた名曲の集大成といった趣でした。
エルヴィス・コステロが歌う「スマイル」を聴くと、キムタクとそれを追いかけるさんまの名シーンが印象的だった「空から降る一億の星」のエンディングを彷彿とします。
でもそのようなテレビ・ドラマを見ていた方だけでなく、私のような50代の音楽ファンにとっては、ここに収録されている曲のどれもがリアルタイムで愛してきた曲ばかりなのです。
マイケル・ジャクソンの「ベン」を聴くと、少年時代の愛らしい頃の彼を思い出しますし、スリー・ドッグ・ナイトの「ジョイ・トゥ・ザ・ワールド」等は、よくぞ主題歌に取り上げたくれた、と拍手を送りたいような選曲です。
ダイアナ・ロス「イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー」、サラ・ヴォーン「ラヴァーズ・コンチェルト」、ママス&パパス「夢のカリフォルニア」、エルトン・ジョン「ユア・ソング」、アバ「ダンシング・クイーン」、サイモン&ガーファンクル「冬の散歩道」、ギルバート・オサリバン「アローン・アゲイン」、と書き上げますと、愛してもやまないオールディーズの名曲の数々ばかりが並びます。
幾多の思い出が本当に歌と共に走馬灯のように浮かんでは流れていきました。私の青春の歌です。そしてその思いはドラマを見ていた若い世代へと引き継がれていきます。
ただ、残念なのはミッシェル・ボルナレフの「シェリーに口づけ」の音源の状態が良くないことです。他のコンピ盤でも感じましたが、良い原盤はないのでしょうかね。
私のような洋楽ファンにとっては、リバイバル・ヒットを集めた究極のベスト盤というべきものといえるでしょう。
テレビ・ドラマを見られた方にとっては、思い出がまた蘇ることでしょうね。お買い得なのは間違いありません。オススメします。