ZOOKEEPER(3) (イブニングKC (193))
久しぶりに面白い漫画を見つけた。本屋で1巻を手にとって読んで感心し、その後すぐに2巻と3巻を購入した。作者は自分の作品を地味だと謙遜しているが私はそうは思わない。動物園という存在が現代社会でどういう意味を持つのかについては、しばしば議論されることがあるが(例えば、川端裕人「動物園にできること」や 渡辺 守雄「動物園というメディア」)それを漫画で表現したという点で評価したい。
最近、動物園といえば旭川動物園での成功ばかりが話題になるが、この作品では、単なる「動物の面白い見せ方はどうするか」「如何にして客を集めるか」という地点からもう一歩踏み込んでいる。一つ一つのエピソードはかなり深い。
今後も期待していきたい。
ZOOKEEPER(8) (イブニングKC)
残念なことに、早くも最終巻。ペンギンとチンパンジーが取り上げられていて、内容としては今回も感心することが多かった。しかし、ペンギンの話は展開が早く、内容も込み入っていて分かりにくかった。もう少しゆっくりと丁寧に書いてほしかった。(それで星を一つ減らした)
最後まで読んで驚いたのは、旭山動物園の人たちに取材していなかったということ。本作品は内容が内容なだけに、旭山動物園での行動展示のあり方に非常に影響を受けているはずだが、直接的な影響を受けないように抑制していたのだろう。おそらく、旭山動物園の人たちから話を聞いてしまうと、作者が自分自身の理想の動物園像(最後に示される)が持てなくなると危惧したからではないだろうか?
次巻を待ち望むような漫画が一つ終わってしまったのは寂しいが、今まで非常に内容の充実した作品を読ませていただき、ありがとうございました。
ZOO KEEPER
シンプルなルールながら中毒性の深い本作。
現在様々なプラットフォームからリリースされておりますが、
新しくZOO KEEPERを買うならDS版をオススメします。
DS本体が持つタッチパネルがそのまま本作の根幹を成す
直感的プレイに非常に適しているからです。
本作は8×8のマスの中に動物がランダムに配置されており、
任意のマスを上下左右のいずれかのマスと入れ替えて
同じ動物を3マス以上並べて消すことが目的なのですが、
本作はスタイラスペンで直接マスを選ぶことが出来るため、
非常にスピーディーにプレイすることが出来ます。
連鎖をしている最中に別の場所で3つ揃えると
連鎖として数えられますが、スタイラスで直接選ぶことで
それが非常にやりやすくなることも特筆すべき点でしょう。
ゲームモードはノーマルのほか制限を設けてプレイする
クエストやトコトンモード、対戦モードもついています。
本作はshockwave用のソフトとしてリリースされていましたが
DS版を初めとして数多くのプラットフォームに移植されています。
本作の持つ面白さは折り紙つき。
DS用の定番ソフトとしてもっておきたい一本といえるでしょう。
ZOOKEEPER(7) (イブニングKC)
マンガで表現できる領域、内容を既に超えているような気がする。動物園という装置をめぐって、ニンゲンの自然に対する畏れ、その裏返しの傲慢さ、無知ゆえの勘違い、などが明らかになっていく。ネタばれになってしまうので内容は書けないが、ここで描かれていることは、マンガという表現手段を超えて、我々の頭と感情に訴えてくると思った。これは本当に凄いマンガになったと思う。