路傍の石 (新潮文庫)
小学校を卒業後、呉服屋に奉公に出された少年が、苦節の末、ひとり立ちしていくまでを描いた物語です。つらい境遇にあっても決してめげず、どこまでも真っ直ぐに、自分らしく生きようとする少年の姿は、現代人の忘れてしまった「勤勉さ」や「正直」といった美徳を思いださせてくれます。物語の節々に先生や書生が登場し、少年の生き方に大きな影響を与えますが、こうした大人の存在も魅力的です。ストーリーは波乱に満ちており、息もつかせないものがあります。つらい場面は涙なくして読めませんでしたが、読みながら心にあたたかいものが満ちてくるのを感じました。純粋な感動を与えてくれる、ひとりの人間の成長の物語です。
路傍の石 [DVD]
主役、吾一役の池田秀ーが後のあの有名声優さんとは・・・
原作も未完なだけに映画も「これからどうなる?」という空気の所で終了
佐藤慶さんの、妻を足蹴にし、進学したい息子の学資貯金を奪い去って行く
国士気取りの馬鹿オヤジッ振りは良かった
皮肉なことに生真面目一本の吾ーより、むしろあの馬鹿オヤジの末路の方が
俄然気になってしまった
路傍のオヤジ どなたか書いてください
ゴールデンタイム
アッコさんは年々歌が下手になってもうダメかと思っていましたが久々に本人も楽しんでいるような楽曲がリリースされた感じがしました。パワフルさが出ていてこれぞアッコさんという感じのナンバーでうれしいです。いっそタレント業を一切やめて歌手に撤してしまえば良い気もします。なんせアッコさんは本来歌手であるし、本人も歌手であることをよく強調されています。
心に太陽を持て (新潮文庫)
山本有三氏が多くの少年少女のために手がけた短編集です。教科書に載っているようなわかりやすい文章で綴られています。
どんなに辛くて苦労や困難が絶えなくても、心に太陽を持つように希望を失わずひたむきに生きていれば道は切り開いてゆける、作品全体を通してそう教えてくれます。今の子供たちにも是非読んでほしい作品です。
君たちはどう生きるか (岩波文庫)
“どう生きるか”或いは“生き方”という言葉に関して、80年代からこれまでは“古代中国や戦国時代の英雄に学べ”とビジネス雑誌(その典型はプ○ジ○ン○)などが声高に叫んでいたこともあり、余り良いイメージを持つことは出来なかった。それでもまだ高校時代に読んでいた文庫本にはそうした“強い者の真似をしろ、そうすれば成功する”との言葉は一言も出てこなかった。前者が成功譚(サクセスストーリーに彩られた手柄話)を目指しているのに対して、この本は“社会の中で生きること”の意味を静かに語り、或いは読者に問い掛けてくる。だから決して“答えは一つ”としてそれを押しつけることなどしない。
例えば地方の過疎の町で医療に携わる若者やベテランの医師、海外で農業技術の普及と支援を目的としてその場に生きる人々などは“名も無き人”であることは明白だろう。
社会の中で生きることは“人と人との関係”において生きることであり、決して自らの成功や満足のためにすることではない。“自分の出来ること”で相手が喜んでくれればそれに越したことはない。今から15年前、日本のある都市を大規模な地震が襲い6000人を越す人が命を落とし多くの人が生活を失った時、先ずその場に駆けつけて身を惜しまずに支援活動に携わったのは名もない人達であり、その後の震災では事ある毎に“あの時に助けて貰ったから今度は助ける側に回って何かしたい”との思いがこの国を変えつつある。