シルクロードの水と緑はどこへ消えたか? (地球研叢書)
非常に面白い本でした.
“水”環境の変遷に的を絞ったシルクロード・砂漠の本というのにお目にかかったことがなかったので非常に興味深く読むことができました.
砂漠を流れる河川の特徴,オアシスの姿,それから地下水.
第1章〜第3章では,湿潤な日本とは全く異なる水の振る舞いをとてもわかりやすく解説しながら,シルクロードの環境変化の変遷を最新の研究成果を織り交ぜながら記しています.
第4章では,中国から日本にやってくる黄砂について,地球環境におけるその不思議な振る舞いを紹介しています.
そして,とくに面白かったのが第5章.
水問題は,昔も今もかわらずに多く存在するもの.有史以来の人類最古の問題といっても良い.なのにいま,あれもこれも“世界水危機”だといって騒がれる.その実態は何なのかを,その変遷と共に冷静に述べています.
石油危機や地球温暖化などとは性質が異なる水の問題について,考えるきっかけをこの本は与えてくれると思います.
性質が違うが故に,希望もあります.“危機だ,危機だ!”といってあわてふためく前に,その本質を少し考えてみてはいかがでしょうか?
ナショナル ジオグラフィック[DVD] 発見!恐竜の墓場
『恐竜大進撃』にも登場したディロング(Dilong 帝龍)の発見が発表されたのが2004年。
同じ研究者、徐星(Xu Xing)によるグアンロン(Guanlong 冠龍)の発見は、その2年後
でした。
これらにより、ティラノサウルスにいたるまでの、進化の謎が一つ明らかになりました。
このDVDは、そのグアンロンについて、CGもまじえて紹介しています。
恐竜研究は、意外と速いスピードで展開されています。
10年もすれば、かなり「常識」が変わっていることも・・。
ディロングもグアンロンも、まだ多くの書籍には登場していません。
このDVDの内容も、また数年したら古い話となっているかも知れません。
恐竜は、21世紀の今も「進化」しているのです。
そんなことを思わせてくれるDVDでした。
もちろん進化の「謎解き」についても、存分に楽しませてくれました。