
女ぎらい――ニッポンのミソジニー
ニッポンで、女に生まれて
解決のできない生きにくさ、しんどさ。
どんなに優秀でも、性格が良くても、スポーツができても、
結局は「容姿、若さ」という記号でのみ評価が下される
残酷さ。
東電OLの事件が起こったときは、
いろいろな記事をむさぼるように読みました。
私は彼女のように、優秀ではないけれど、
スゴク、努力してるのに
( 仕事ばかりでなく、気配りをし、
おしゃれに気を遣い・・・)
努力しても努力しても埋められない何かがあり
ほんとにしんどくて。
なぜこんなにしんどいのか?
すべて自分の神経質な性格のせいなのか?
上野先生の著書は、私にとって
救いの一つでした。
そして、今回の「女ぎらい」は
久々の 直球!!!
こんなニッポンに、上野先生がいてくれて、良かったです。
また、書物の持つ、すごいパワーに、あらためて驚かされました。
フェミニズムとか、難しいことを
私は実はよく理解してなかったり
しますが(笑)個人的には超・おススメです!
男社会で働くすべての悩める女性は(働いてなくても)
食わず嫌いせずに読んでみるといいと思います。
大ストライクだったりしますから。

好色一代男 (中公文庫)
高校時代、原文と訳文を対照しながら苦労して読み終えて以来の再読。
井原西鶴と近松門左衛門どちらかを夏休み中に読めと言われて、
選んだのがさいかくである。なんか暗そうな心中物より、
好色物の方が高校生にとっては魅力であった。
マンガでの再読だが、いろんなことを思い出す、そのきっかけなるには充分な描写である。
日本津々浦々の色町を回り好色の限りを尽くした世之介が伊豆の港から船出するシーンが
ぼくは大好きだったが、それもきちんと描かれていた。
船の名は「好色丸(よしいろまる)」
船の造作は、吹抜に吉野太夫の腰巻 大綱はおんなの髪の縒ったもの。
積荷は、強精剤の地黄丸五十壺,女喜丹二十箱などなど。
さらに床の責具として肥後ずいき。水牛,錫,皮の張型総数六千八百。
こうして出帆する世之介の言葉は
「譬えば腎虚してそこの土となるべき事(中略)それこそ願いの道なれ」
「たとえやりすぎて病気になってもやな,それが本望やんけ」
カッコいいなあ,と,18歳のぼくは思ったのである。
ところで西鶴は,上方で主に活躍したが,本は,江戸にも出回った。
江戸の板木は,作・井原西鶴 挿絵・菱川師宣という豪華版のエロ本であった。