うめめ
私はこういう人間の本性や間抜けさが色々混ざった微笑ましい写真集って大賛成です。
こういうのアリです。
地方暮らしでは、撮りたくてもなかなか撮れません。ましてカメラ離さずうろつく男では、不審者に見られてしまいがちですよ。こういうジャンルの撮影は、男が損です。
女性だからこそ撮れるショットも当然多いですが、しかし梅佳代さんは、どういう変わり者か(すみません)知りませんが、被写体をよ〜く見ていますね。多分予測も出来るんでしょうね。
街の子供や住民と接して絶妙なショットを撮れるのは、撮影者の人柄や才能有っての事なんだと思います。
視点もいいしタイミングもいい。掲載出来ない沢山の没ショットも多いんでしょうが、これからも撮り続けていただきたいです。
写真は機材頼みじゃないってことを教えてくれる写真集でもあります。
ナミダノイチ
インディーズ時代から光るものは持っていたし、完成された世界観をもっているなぁ、
と注目はしていたけれど、デビューしてシングル3枚を聴き、より洗練された方向に
向かったのか?とも思っていた。
しかし、今回のアルバムを聴いて、僕の予想を遥かに超えた幅広い世界を提供してくれた。
それは音楽性の幅だけではなく、スタンダードミュージックになりうるメロディーと
歌声に裏づけされたPOPSの王道の世界。
こういう音楽をやると、どうしてもバンド感というのが薄くなりがちなのだが、
蝉時雨はものすごい太さのバンド感を前面に打ち出しながら、さらっとやってのけている。
凄い才能ある新人が登場したものだ。
特殊な音楽ジャンルではないし、派手に目立つところも無いし、ビジュアルで目立つ
バンドでもない...。こういう音楽は10代の女性に受けるのかどうかは分からないが、
間違いなく70年代から80年代に完成された和製ポップスの21世紀盤がここにあります。
これを聴いて「名盤」という言葉が浮かんだし、僕の中では最近の邦楽の
ベストアルバムです。
01.僕のテレビジョン
02.24年とケーキ
03.待ち人に花
04.ナミダ工場
05.猫なで彼女
06.晴れたお空
07.煙の街
08.よごれた手
09.蟇
10.北風ハンカチーフ
11.蜩
12.シュガートースト物語
男子
2007年7月25日リリース。梅佳代さんの第2写真集。写真集のリリースと同時に、個展「男子」を東京(リトルモアギャラリー)、大阪(HEP HALL)、名古屋(名古屋PARCO)で開催している。サイズも前作『うめめ』より大きくなりパワー・アップしている。
これは私信だがいつも右下に表示される日付もなく(おそらく忘れたのだろう)、題材の男子に重なりが多いことから一気撮りを敢行したのではないか、と思える。ここに登場する日本男子たちはぼくにはどこか『昭和』を感じさせる懐かしさがある。こういう同級生がこういう馬鹿な顔(失礼)していたなぁ、という懐かしさだ。そこにとても『ほっ』とする。
女子である梅佳代さんはこういう男子をきっと『情けないがカワイイヤツ』と思ってくれているのだろう。女子のそういう優しさも感じてしまう作品集だ。