Burzum / Aske
ノルウェーの1人ブラックメタラー、COUNT GRISHNACHTによる記念すべき1STアルバムであり、ブラックメタル史上燦然と輝く名盤である。BURZUMというと教会への放火やEURONYMOUS殺傷事件ばかリが話題になっているが、実際の歌詞を読んでみると、一連のサタニックブラックメタルとはニュアンスの違う(中期は特に)哲学的な歌詞であり、COUNT自身もBURZUMをブラックメタルとして認識される事に対して不満に思っているようである。しかし、この頃の楽曲的は完全にブラックメタルであり、一連のブラックメタルバンドに与えた影響は計りしれないくらい大きく【BURZUM STYLE】というジャンル(寒々しいギター・高音スクリーム)を作り上げた程である。音楽的には【怒りと悲しみが入り乱れるプリミティブブラックメタル】という感じで、本物の凄みが楽曲の全編より伝わってくるアルバムである。当時のCOUNTは19歳であり、この頃から天才といわれる雰囲気が、アルバム全体に漂っている。この後のアルバムからBURZUMはアンビエントな方向性に向かって行き、個人的には3RDの【HVYS LYSET TAR OSS】でアンビエント+ブラックメタルの高次元での融合に成功していると考えている。この頃が音楽的に頂点を向かえておりこの後、刑務所内で作成されたアルバムも悪くはないが、凄みが伝わってくるのは初期~中期までである。尚、ASKEにはEMPERORのSAMOTHがゲストでベースをプレイしており、COUNT自身が放火した教会の写真がオリジナルジャケットに使用されており、DSPの初回にはライター付で販売されていたらしい。とにかくブラックメタルを語る上では絶対に避けては通れない重要なアルバムですので、一聴をお勧めします。
Filosofem + Booklet
ブルズムの4th。ボーカルがメイヘムのユーロニモス殺害事件で逮捕される
直前に出たアルバム。3rdの延長線でだんだん激しさが減ってきてる。
その分、非常に空虚的な寂しい感じがする。
2003年現在アルバムは6枚出ているが、1~4枚目まではバンド演奏で
ブラックメタル。 5,6枚目は刑務所でシンセサイザーのみで作った
インストロメンタル。現在は刑務所での制作活動が出来なくなったので
7枚目は出所後になると思う。
Fallen
ノルウェーのひとりブラック・メタルの大御所による2011年発表の8thアルバム。
シャバに出てきてから2作目になる本作は、前作からの自然な流れでできあがったような感じがする作品である。
音を聴いたら一発でわかるBURZUMサウンドではあるが、やはりムショ入り前の断末魔の叫びのようなボーカルは聴かれないし、狂気の旋律も少々陰を潜めている。
ただ過去の特徴は後退しているが、普通声も使うようになり、仮出所後のアルバムはメタルとしての音楽的なクオリティは相当上がっていると思う。
アートワークから見て取れるように、音の方もある種の芸術性すらも感じられる。
それでも初期からのファンとしての率直な感想は、長いムショ生活で少し丸くなったのかな〜って感じです。
初期BURZUMの亡霊がまだ憑依しているからそう感じるのかもしれません。
またそんな人間にとっては、時間と共に評価も変わっていく作品となるのかもしれません。