H (エイチ) 2010年 01月号 [雑誌]
HとCUTは良い写真や内容で絶対買うんですけど、今回も嵐のレギュラー番組らの話で喜んで買いました。内容はいいんですが、カバーからの写真が中にももっとあったらいいな〜と思いますね。テキストがいっぱいで、今までのHのようにグラビアを見るために買うにはあまりおすすめではありませんが、ドラマからのセミヌードの写真があるからいいかもww
江(ごう) 姫たちの戦国 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
今年のNHK大河ドラマ「江」の公式ガイドブックです。
例年通り登場人物の関係図から個々の配役陣の紹介やインタビューまで詳細に記述されています。
昨年のドラマの悪口を言うわけではないのですが、昨年の「龍馬伝」は幕末ものにありがちな斬り合いのような戦闘シーンが多く、また製作者の意図する「汚し」の暗い映像が私にはどうもなじめませんでした。
今年は戦国ものでしかも女性が主人公ということもあり、この本を見るかぎりではかなり華やかなドラマになりそうな予感がします。最近のNHK大河ドラマでは私のお気に入りであった2005年の「義経」のような華やかで幻想的な映像を見せてくれるのではないかと思っています。
このガイドブックを見て、女優に対してあまり使わない表現だとは思いますが、上野樹里という女優は非常に「面構えが良い」という印象を受けました。彼女の写真の表情からは芯の強く、凛とした気概を持つ江の風格が漂ってくる印象を受けます。
政略結婚を繰り返すという運命に翻弄されながらも力強く生きた江を彼女がどのように演じてくれるか楽しみです。また今年のドラマが戦国時代という時代の別の新たな一面に新しいスポットライトを当ててくれることを期待しています。
スウィングガールズ ファースト&ラスト コンサート [DVD]
映画でジャズの魅力を知った人、SGのけなげな演奏に惚れ込んだ人は買って損はないかもしれません。もともとジャズに入れ込んでいたおじさんはどうでしょうか? 高校生の娘が学園祭で演奏するのを見て、子どもの成長を喜ぶ気分で見るには良いと思います。冗長な一人ひとりのトークも含めて、SGガールズのファンでなければ楽しめるDVDではありません。
今から思うと、映画のラストシーンの演奏で感激したのは、最初のころの演技や、おそらくジャズなんてろくに聴いたこともないであろう彼女らが、さんざん精進努力して、どうにかジャズ演奏にたどり着いたプロセスを共有できたからこそのことだったのでしょう。
関口がいなかったこともマイナス要因。上野樹里も良いけれど、やっぱりかわいいのは関口だよなぁ(^^;;;、そうそう、バリトンサックスの松田もかわいいよねぇ、という音楽を離れた見方ができるので星3つ。
のだめカンタービレ in ヨーロッパ [DVD]
原作を上手くまとめてあって、 DVD二枚目ののだめ篇は 原作より感動的に仕上がってます。
自分が井の中の蛙だった、と思った事の無い人なんて いないでしょう。 のだめが自分のピアノの才能に落ち込み、 日本の家族や友人の写真、 ピアニストを目指す前の夢だった保育園の先生になるためのノート、 それらを見て泣くシーン。 こっちも泣きたくなります。
勿論そのあと、コメディにきっちり戻りますが。
のだめのその前の落ち込みを知ってるだけに、 誤解して冷たい千秋に のだめだけならず 視聴者もムカつき、(笑) のだめが千秋にとびげり食らわすシーンには よくやった!と思ってしまいます。
で、このあとのだめの 「近づいたと思ったら離れていく」が 名台詞!
そしてラストに千秋の 「それでいい。オレが見失わなければ」で 綺麗に締まります。
ホントにすごいな 脚本家…。 ホントによくまとめたよ…。
ちりばめられてる、細かいギャグも楽しい。(^^)
のだめカンタービレ 最終楽章 後編 スペシャル・エディション [DVD]
こちらの後編は、前編や原作とは少し雰囲気が異なり、シリアスなお話となっておりますが、登場人物の心情が丁寧に描かれており、とても良い作品に仕上がっています。
原作は最後までギャグのテイストを織り込みつつ、一気に読める面白さがありましたが、その分、心理描写がややさっぱりとしていて、のだめの心情が読み取りにくい面がありました。(以下、ネタバレ含みます)
原作の方でも、恋愛感情と音楽が重なり合っていると推測できる描き方がされておりますが、実写の方では、更に上野樹里さんならではの解釈も加えて、観る側が納得できる風に演じてくれたのが良かったです。
例えば、映画雑誌のインタビュー等で 「のだめにとって、コンチェルトというのは、男女の恋愛関係を表すとても重要な意味を持つので、自分の初めてのコンチェルトは絶対に千秋とすると信じて頑張っていた。 けれども、その大事な初コンチェルトを不本意とはいえ、千秋以外の人(ミルヒー) としてしまったから、もう自分は千秋の事を好きじゃないの? と思い込んでしまい、全て投げやりになってしまう。 でも、その後で千秋に 『いや、そうじゃないだろ』って音楽を通して引き戻してもらえる。」 音楽面では「ショパン協奏曲の演奏も、あの時の精神状態だから弾けた 一時的な良さであり、継続してプロとして続けていけるわけじゃなくて。 だから千秋の事を好きでいられなくなるというのは、上から目線ではなく、もうピアノを弾けない自分は千秋の事を追えないし、ミルヒーと共演してしまった為に新品でもなくなった。というのが大きくて、そういう感情を入れた方が人間ぽいと思って、そういう風に演じました。」 という様な事を語っていて、音楽感情と恋愛感情を混合してしまっている、のだめの心情が、この「最終楽章 後編」ではリアルに伝わってきました。
のだめが独自の方程式で 「千秋とのコンチェルトの成功」=「恋愛の成就」と考えているとしたら、プロポーズをスルーされて自分の想いが通じなかった千秋とは、もう最高の演奏なんて出来ないから 「あれ以上の演奏、先輩となんか出来るわけない」と言ったのだと思いますし、先を行く千秋に対する劣等感や他の人とコンチェルトをしてしまった罪悪感から、自分があれ以上弾けなくて一番大事な先輩とのコンチェルトが失敗に終わったら、もう千秋を好きでいる資格すらなくなると感じて怖くなったのかな、と思いました。
原作とは違う描き方をしている部分もあるという映画版は、同じストーリーの流れでも見方が違うふうに見え、そこには良い意味で原作とは異なる、もう一つの「のだめ」の世界がありました。
映画版は、のだめと千秋の恋の行方を軸に描かれている気がします。
実写版の千秋の傍にいる「のだめ」というと、どこか妹の様な感じでしたが、ラストの橋のシーンでは、千秋に寄り添っても遜色のない女性に成長していましたし、千秋も、のだめの事を思うがゆえに、彼女の予測不可能な行動に振り回されたりする事もありましたが、基本は最後まで千秋がのだめを引っ張るという、ぶれない芯の強さがありました。
そして、山場の一つでもあるミルヒーとのコンチェルト。 原作では、千秋に認めてもらいたい、プロデビューして見返したい。 という感じでしたが、映画では千秋を失うかも知れない不安の中で心を失くしてしまい、魔法をかけられて操られたかの様に、意に反してミルヒーの手を取ってしまった のだめ。 自分が何故、望まない舞台上に居るのかすらも解らずに、魂の無い人形の様な表情でピアノを弾いている様は、千秋との(仮想?)コンチェルトの時の満面の笑顔と対照的で印象に残りました。
樹里さんがインタビューで 「ミルヒーとのコンチェルトの時は、のだめは病んでいて一番辛い場面」 と語っていたのを聞いて成程、と思いました。
その際のドレスも最初は赤いドレスが用意されていたそうですが、のだめの定番カラーである赤は、千秋とのコンチェルトの時の為に取って置きたかったので、ミルヒーとの場面では、言われるがままに着たという意図も込めて、本来の のだめが着なさそうな紫のドレスを選んだそうです。
この、のだめのデビューシーンは、のだめの演奏に対するオケの反応が無く、観客達の感動する表情等も余り無かった為か、千秋に追い付いたというよりも巨匠であるシュトレーゼマンの力添えもあり、やっと千秋の目前にまで追いつけたという感じでした。
前編のマルレ・オケの華々しい成功シーンが凄かったので、のだめデビューも、それに匹敵するかも、と思っていたのですが、のだめは原作よりも映画の方が精神的に堕ちている様に描かれているので、そういう意味では独創的でなくても、こういう荘厳な演奏シーンの方が観ていてしっくりきました。
又、のだめを音楽の世界に、この舞台に連れてくる為の導き手として神様が千秋を選んだという事が伺える この演奏シーンは、天才的なピアノの才能を持つ「のだめ」と、その上をいく絶対的な音楽の才能を持つ「千秋」 というふうに改めて千秋と のだめの音楽的関係が判るシーンでもあると思います。
そしてコンチェルトが終わり、ミルヒーの魔法が解けた時、我に返った のだめを襲ったのは自分が何をしてしまったのか、わからない。 取り返しのつかない事をしてしまったという後悔と動揺。
千秋に顔向け出来なくなった時の怯えているような表情が切なかったです。
心が壊れかけてしまう程、千秋を強く想う のだめと、のだめを失いかけて初めてその大事な想いに気づいた千秋。 この二人が最後に辿り着いた2台ピアノの共演。
観客がいなくても、オケの支えがなくても、大舞台でなくても、そんな事は一切関係なく、今迄で最高の演奏が出来た のだめ。 千秋となら、どこまでも上に行けるという確信の中で初心に戻り、自分の初めての共演者はミルヒーとではなく、千秋先輩とだったと思い出していたのかも知れません。
千秋のピアノに導かれ受け止められながら、硬く閉ざされていた、のだめの心が徐々に解き放たれていく様は、これからの二人の未来を現わしている様にも思えます。
常に立ち止まる事なく先へ先へと進む千秋。 これから先もずっと、その千秋と共に在る為に、真摯に音楽に向き合おうとする、のだめ。 苦しくても辛くても、好きな人と一緒にいたいという一途な想いが、ここまで強く純粋な女性は凄いです。
現実の世界に本当に、のだめと千秋がいると思わせてくれた、樹里さんと玉木さんの真に迫った演技と心理描写は、とても素晴らしかったです。
長いレビューになってしまいましたが、ここまで読んで下さり有難うございました。