探査機はやぶさ7年の全軌跡―世界初の快挙を成し遂げた研究者たちのドラマ (ニュートンムック Newton別冊)
その偉業の割りにはメディアへで取り上げられることが少ない「はやぶさ」
ですが、この本は数少ない「はやぶさ」本の中でも決定版とも言える本です。
内容は過去にニュートンに記載された記事と今回帰還に当たっての
関係者へのインタビューとで構成されています。プロジェクトの遂行に
当たっては、色々苦労があった様ですが、イオンエンジンとか、カメラとか、
サンプルホーンとか関係者しか知り得ない話満載です。古い記事の最後に
最新の情報を書き足してあるのでちょっと整合性が取れない点があって
気になりましたが、そのままの方が当時の雰囲気を伝えるには適しており、
再編集した方が良いのかどうかは意見が分かれる所だと思います。
読んでいて感じたのですが、はやぶさって、あくまで試作機だった様ですね。
あまりにも出来過ぎた試作機だと思う。でもあくまで試作なので、次に
つなげてこそ意味があります。さすがに量産は難しいかも知れませんが、
最低でもはやぶさ2は実現しないと、はやぶさを飛ばした意味も半減しちゃいます。
世界初への挑戦からくる、わくわく感が伝わってくる楽しい読み物と
なっています。宇宙ファンだったらぜひご一読を。