浮雲 [DVD]
男と女がズルズルと付き合い、こんな相手と一緒にいるとダメになると分かっていても、何故か別れられない。
愛ではなく、愛着かもしれないです。
ロマンスの”ロ”の字も感じさせませんが、 ロマンチックな恋愛より現実的な一つの愛の形だと思います。
女が男を見つめる眼差し、表情、女同士が互いに品定めするような目付き、 また敢えて無視するかのような態度、、、
言葉では表せない、女の複雑な心が感じられます。
主人公の男、富岡(森雅之)は、口では立派なことや、潔いことを言います。
でも、現実の彼の行動は、女にだらしなく、中途半端で歯切れが悪く、自分勝手です。
女とはヤリたいけど、人間関係には深入りしたくない、男の本質を表しています。
ラストシーンはフェリーニの「道」を思い出します。
そう云えば、「道」のザンパノも男の本質を表していたなぁ、と思いつつ、男と云う生き物の”どうしようもなさ”も感じさせる作品です。
羅生門 デジタル完全版 [DVD]
矛盾が成り立つという程の矛盾があろうか
目撃者
妻
盗賊
イタコ(夫)
全てが己が為に吐き出した嘘は、ある意味での真実なのかもしれない
徹底的に人間を突き放した物語の後にあるのは、晴れ渡った空と赤ん坊。
人は醜い。だからこそ美しい。
全ては矛盾である