A HISTORY OF NOW [解説・ボーナストラック付き初回限定・国内盤] (BRC280LTD)
アルバム毎に違ったテーマを定め辛辣に社会風刺するADFですが、今作はジャケットがiPhoneのアイコンを模していることから分かるように、「テクノロジーと人間の関係性」がアルバムのコンセプトとなっています。
正しく、歴史における今-2011年-の問題を提起して、熱くメッセージを発している今作。
・・・ですがそんな難しい考え無しに、とにかく曲がかっこいいです!ノれます!攻撃的なビートのミクスチャーサウンドに体を委ねましょう!
アルバム全体を通して、PunkaraのサウンドでEnemy Of the Enemyの曲をやっている、といった雰囲気を感じました!
それとインストゥルメンタルのトラックも良いです!
TIME FREEZE 1995/2007-THE BEST OF ASIAN DUB FOUNDATION-
デビューから10年。5枚のアルバムをリリースしたADFのベスト盤。新曲2曲が追加。
正直、数枚のEPと、アルバム”RAFI’s Revenge”しか持っていないので、彼らの活動の全容を把握するのには、どうしても欲しい、と購入。
「バングラ」の妙なリズムと、節まわしにかねてから惹かれていたのですが、70年代のレゲエに通じる体制をゆるさない過激な姿勢に共感。
プライマルスクリームのボビーや、オンユーのエドリアンシャーウッドのサポートを受けていることかも、そのサウンド、アテティュードの過激さが伺いしれることでしょう。
バングラリズムと、レゲエのDUBをかけあわせた初期の曲の、なんともいえない味わいがよい。
さらに、プライマルのサポートを受けた”Free Satpal Ram”。911事件を経て、激化する環境に抗うかのように屹立し、エドリアンシャーウッドのプロデュースを得て放った”Enemy of enemy”からカットされた曲目、13〜15!
DVといった重々しいテーマを歌わせたら、ピカイチのシネイド・オコナーさん(Universal mother!)を迎えた”Thousand mirrers"に心打たれます。
ロンドンテロ、パリ郊外暴動といった事件に代表されるよう、彼らを取り巻く環境は、決してなまやさしいものではないことが察せられますが、いくつかのメンバーチェンジ(06年Dr.Das脱退!)を経て、なおもがんばり続ける彼らを応援しようではありませんか!
FUJIROCKERS~THE HISTORY OF THE FUJIROCK FESTIVAL~ [DVD]
日本における野外音楽イベントの先駆けであるフジロックフェスティバルの歴史を綴ったドキュメンタリーDVD。
DVDは2枚組みで、収録時間約5時間という大ボリューム。登場するアーティストも実に多い…のだが、アーティストのライブ映像目当てでこれを観ると、肩透かしを食らうかもしれない。というのも、ライブ映像の多くは短く、丸々1曲収録されているのはごくわずかだからだ。
このDVDは、タイトルが示すとおり、主人公はミュージシャンでもなく、フェス主催者の日高氏でもなく、「フジロッカーズ」…つまりフェス参加者なのだろうと思う。オーディエンスがフジロックの魅力を語っているシーンが、このドキュメンタリーの肝であるという感じだ。もちろん、そのフジロッカーズに出演アーティストも含まれているわけで、故ジョー・ストラマー氏がフジロックを楽しそうに語っている場面は印象深い。
細切れではあるが、ライブ映像は見ごたえのあるものが多い。もはや伝説と化したレッド・ホット・チリ・ペッパーズ@嵐の第1回目フジロックの映像は言うまでもないが、パティ・スミスの殉教者のごときパフォーマンスには、とにかく圧倒させられた。また、オーデイェンスの凄まじい熱狂を感じる映像が多いのも、他の映像作品と異なる点かもしれない。
言うまでもなく、このドキュメンタリーには参加者視点による会場の映像が満載だが、改めて感じるのはフジロックのスケールのデカさと多様性である。フジロック参戦経験者でも、あのドラゴンドラの到着地やオートキャンプ場の風景を見ていない人は多いはず。また、出演アーティストも、テクノからジャズまで、恐ろしく幅が広い。
イギリスのグラストンベリーフェスティバル等を目標に始まったというフジロックだが、もはやグラストをも凌ぐ、世界最強のフェティバルであると確信してしまう…そんな、フェスの魅力を十二分に伝えてくれるドキュメンタリー作品だ。