MR.BRAIN DVD-BOX
日本のドラマの割りには、良い方かと思います。
FOXなどの海外ドラマを見ている方は、正直物足りない内容ではないかと。
脳科学といっても、よく話題に出てくるような、このジャンルが好きな人には当たり前の内容ばかりです。
(たとえば、嘘をつくとき右上を見るとか)
木村拓也の演技も、相変わらずわざとらしいというか、自意識過剰というか…そういう感じがぬぐえないのですが、それを気にしなければ、なかなかゲストは豪華なので、日本のドラマの中では良い方かと思います。
華麗なる一族 DVD-BOX
山崎豊子の描く壮大な謀略劇ではなく、あえて主人公を万俵鉄平にすることで、現代にも通じる(というか視聴者の共感を得やすい)ヒューマニズムの物語になっている。ここら辺はさすがの英断だと思う。
配役もドラマが3,4本くらい作れそうな豪華な俳優陣をそろえているが、知名度重視で選んだのか長谷川京子や山田優などの非・演技派女優も混じっている。「一生懸命感」がにじみ出てていいけど。
全編を通じて、キムタク演じる主人公の万俵鉄平が夢と理想を追って奮闘しながらも、強大な権力と不運の前に敗れ去っていく過程を描いた物語。実際には権力の象徴である鉄平の父・万俵大介は、愛人である高須相子に踊らされているだけというしょうもない話なのだけど、豪華なセットや荘重な音楽のおかげで見事にだまされることができる。
そしてしょうもなさの象徴としてハリボテ感溢れる鯉の「将軍」が出てくるのはご愛嬌か。
ともあれ主人公の鉄平が気持ち悪いくらいいい人に描かれており、そしてこれでもかというくらいの不運にまみれながらも抵抗し続けるので、バッドエンドながらも観終わった後は不思議とスッキリした気持ちになれる。
華麗なる一族〈中〉 (新潮文庫)
この「華麗なる一族」は「白い巨塔」の金融界版ともいうべき本で、
でも「白い巨塔」より専門的な話は少なく、
政・官・財の恐ろしいまでの癒着と計略とおぞましさを垣間見れる、
非常に読みやすくておもしろい本だ。
ただそれだけに、「善悪」がはっきりしているので、「白い巨塔」のような奥深さはない。
それと今、読むと、もう銀行は随分淘汰されてしまったので、
銀行合併というのが一昔前の流行に思えてしまうところが、
「白い巨塔」のような医療ミスのタイムリーさはないが、
それでもこの作品のなしえる力と、今もこれに似たような策謀が、
どこかで行われていても不思議ではないことは感じられる。
華麗なる一族 オリジナル・サウンドトラック
メインテーマなどお馴染みの曲や、劇中での聞き覚えのある曲を聞くとかなり浸れます。
著作などの関係なのでしょうか、デスペラードが入っていないのがとても残念です。
華麗なる一族〈下〉 (新潮文庫)
山崎豊子は凄い! 作品数は少ないが緻密な取材で長編を描き切る。最新作の「沈まぬ太陽」で知った人も、テレビの影響で「白い巨塔」で山崎を知ったひとも、次は「華麗なる一族」を読んでいただきたい。面白いから。ところで、あなたは今の「三井住友銀行」が「さくら銀行」と「住友銀行」だった事を知っていますか?そしてその前は「三井銀行」と「太陽神戸銀行」であり、さらにそのまた前は「太陽銀行」と「神戸銀行」だったんですね。本書はその太陽と神戸の銀行合併を取上げた金融界を舞台にした小説。30年前に書かれたとは思えないです。やり手の大蔵官僚やら腹黒い銀行頭取やら国会議員やらがうごめきまわる。そして家族をも事業の犠牲にする主人公。一気に読めちゃう面白さ。「白い巨塔」の次は、これで決まり。