Into the Wild
1992年、アラスカの荒野で一人の青年の遺体が発見された。死因は“餓死”。
青年の名前はクリストファー・J・マッカンドレス。ワシントン郊外の裕福な家庭で育ち、頭脳明晰で将来を嘱望されていた若者だった。
しかし、彼は大学を卒業後、家族の前から忽然と姿を消し放浪の旅に出る―。
青年の謎に満ちた人生と死の真相に迫った感動のノンフィクション・ノベルで、映画『Into the Wild』の原作です。
映画のあらすじを読んで興味を持ち、すぐさま本書を購読しました。
著者の緻密な筆致にぐいぐい引き込まれます。読後は言い知れぬ深い感銘と衝撃を受けました。
青年の生き様は少なからず共感できる部分があり、その壮絶な最期には胸が痛みます。
青年の生い立ち、放浪生活、そしてアラスカでの過酷な生活と死までの様子が、彼に関わった人達の証言と著者の見解で語られています。
とりわけ、死の影が濃くなる第2章と第18章などは泣けてきます。
真相ついては憶測の域が出ないのですが、著者の綿密な取材による裏付けと見解は信憑性があり読み手を納得させるに充分だと思います。
今の時代、社会や家庭に自分の居場所を見つけられず、ストレスや窮屈さを感じている人は多いと思います。
私自身も世間のしがらみや煩わしい事から解放され何処か遠くへ行きたいと思う事、しょっちゅうです。
クリスもそんな一人であった訳ですが、違うのは彼は生来の冒険好きで常人には理解し難い思想の持ち主だったと言う事です。
家族や文明や資本主義を否定し、社会から隔絶された世界で一人生き抜く事が、彼の美学であり自己への挑戦でもあったのでしょう。
命の危険を顧みない冒険家の気持は正直理解しかねますが、今までの自分を捨て見知らぬ土地で生まれ変わりたいという衝動は分かります。
映画のほうも、アカデミー賞こそ逃したものの傑作との呼び声高い作品に仕上がっているそうなので是非見てみたいです。
’98.12.28男達の別れ
このアルバムに収録されたある一曲が、私の音楽遍歴において大きな変曲点となっている。
その曲と同等以上の感動を伴う曲には、今後十曲と出会えないと予想され、聞き飽きてしまわぬようあまり聞けなくなっている始末である。
その曲とは、ロングシーズン。その名の通り、長い、長すぎる曲だ。しかし、計算しつくされた音の循環には決して飽きさせられない。どころか、聞いていて恍惚感を覚える。夏の陽射しと冬の吹雪に同時にさらされている感じでもある。
曲が終わってから拍手までの間に数秒の静寂が記録されている。一同唖然である。こんなライブが実際に存在したというのだから驚きだ。
アイズ ワイド シャット [DVD]
出だしから、ニコールの美しい肢体を惜しげもなく、披露。
そして、煌びやかなパーティシーンに移動。
催眠術を掛けられた様に、ぐんぐんと画面に引き寄せられて行きます。
何なんでしょう?こんなに映像が美しい映画は、初めてです。
陳腐な言い方で、申し訳ないけれど、テーマは『愛(誠実)と欲(不貞)』。
サスペンス的な要素はあるものの、完全にそういう訳でもなく
恋愛物でもなく、どんなカテゴリーに入るのか、見当が付きません。
途中、色々とドキドキさせられる場面もありますが、
最後のアリス(ニコール)の台詞で、爽やかな気分で見終えることが出来ました。
音楽も素敵ですし、プロポーションが完璧なモデル達の裸体も
全くいやらしくなく、むしろ神々しささえ携えています。
美しいものが好きな方は、是非、この世界に足を踏み入れては如何でしょうか?
100万回生きたねこ (佐野洋子の絵本 (1))
死ぬのなんて恐くない・・・そう思ってた時期がある人はけっこうたくさんいると思う。それは自分のことだけを考えて生きているからだと思う。愛するもの、大切だと思うもの、守らなくてはいけないもの、そしてずっと一緒にいたいと思う気持ちが芽生えてはじめて 死や別れというものへの恐怖が襲ってくるのだと思う。。。100万人に飼われ、100万回も生まれ変わった猫。しかしたった1匹の白い猫に出会い、その白い猫を愛した時、もう猫は2度と生まれ変わらなかった。白い猫を一生懸命愛した猫は自分の人生に満足したのだ。人はみな「愛されたい」と思っているだろう。でもこの本は「愛する」という思いやりの大切さを教えてくれるとても素晴らしい本だと思う!!
子供だけでなく 自分勝手になりがちな現代の大人にもぜひ読んでほしい1冊だ。そして いつか皆さんも この本のような白い猫に出会えるように・・・(あたしも・・・)笑。
竜二 [DVD]
レビューを書いた今日11月6日は金子さんの命日です。私が竜二を知ったのはテレビでたまたま目にしたお昼のシネマでした。金子さんの演技に魅了されましたが既にこの時亡くなって7年経っていた事が、残念でなりませんでした! 映画の良し悪しなんて当時二十歳の私が判るはずが無い気がするのですが直感で凄い!と感じました。四十歳を過ぎてあらためて竜二を見ても胸に染みて、人の弱さが、いたたまれない現実が自分自身のものとして跳ね返ってくるのを感じます。金子さんが命懸けで伝えた、たった一本の映画、見る度に違う感動と感覚があり、今でも竜二と金子さんに励まされています。何気ないのに、切ないのに、現代にも大切な何かを伝えています! 私の唯一大好きな映画です!是非見て下さいねっ